2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246002
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
岸野 克巳 Sophia University, 理工学部, 教授 (90134824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 一郎 上智大学, 理工学部, 准教授 (00266074)
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Keywords | 光励起発振 / ダブルヘテロ構造 / BeZnSeTe / MSe / BeZnTe超格子 / レーザ / しきい値電流密度 / 緑色発光 / 黄色発光 |
Research Abstract |
本年度は、光励起発振特性よりBeZnSeTeのレーザ活性層材料としての性能を評価し、また電流注入のための検討を行った。具体的な内容を以下に示す。 1. BeZnSeTe活性層の両側をMgSe/BeZnTe超格子クラッド層で挟んだダブルヘテロ(DH)構造を作製し、光励起による発振特性を評価した。活性層の組成を変えることでピーク波長が538nm(緑色)、548nm(黄緑色)、570nm(黄色)のレーザ発振が得られた。このときのしきい値励起光強度は26~36kW/cm^2であった。また、発振特性の温度依存性を測定したところ、何れの波長でも350K以上の高温においても安定した発振が得られた。しきい値励起光強度よりしきい値キャリア濃度を見積り、これと導波路解析により求めた共振器損失を用いて電流注入型レーザのしきい値電流密度を見積もった。その結果、波長538nmから570nmにおいて1kA/cm^2以下の低しきい値電流密度が見積もられた。これより、BeZnSeTeが活性層材料として優れた特性を有していることが明らかとなり、緑色から黄色域において低しきい値の高性能レーザが実現できる可能性が示された。 2. 光励起発振測定で用いたDH構造を基に電流注入型素子を作製し、特性を評価した。素子構造は、MgSe/ZnCdSe超格子nクラッド層、BeZnSeTe活性層、MgSe/BeZnTe超格子pクラッド層とした。更に、活性層とnクラッド層間のタイプIIヘテロ障壁を緩和するために超格子周期を除々に変化させたMgSe/ZnCdSeグレーデッド超格子を導入した。n及びp側に電極を形成した素子に電流を注入したところ550nmから560nmの黄緑色発光が得られた。これによりレーザ発振に向けた基礎的な条件が整った。
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Research Products
(5 results)