2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246002
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
岸野 克巳 上智大学, 理工学部, 教授 (90134824)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 一郎 上智大学, 理工学部, 准教授 (00266074)
|
Keywords | BeZnSeTe / フォトルミネッセンス / MgSe/ZnCdSe超格子 / MgSe/BeZnTe超格子 / LED / InP基板 / タイプIIヘテロ障壁 / 二次イオン質量分析 |
Research Abstract |
1. BeZnSeTe活性層材料の高品質化を進めた。BeZnSeTe成長時において、Teの分子線供給量を調整し、II/VI供給比を1/1に近づけることでフォトルミネッセンス発光特性が改善されることが分かった。 2. MgSe/ZnCdSe超格子nクラッド層材料において、ZnCdSe層を意図的にマイナスに歪ませることでMgSe層の格子歪(約+0.7%)が相殺され、高品質な結晶が得られることが分かった。また、ZnCdSe層をマイナスに歪ませるためにはCd組成を格子整合条件より下げる必要があるが、これによりZnCdSe層の禁制帯幅が増加し、超格子全体のワイドバンドギャップ及びタイプIIヘテロ障壁の緩和にも効果的であることが分かった。 3. III-V族層とII-VI族層との界面の二次イオン質量分析(SIMS)を行った結果、酸素不純物濃度が高いことが分かった。これはInP基板の表面酸化膜除去が充分に行われず、酸化物が表面に残留していることが原因と考え、酸化膜除去をより高い基板温度で行うこととした。これにより界面での酸素濃度が低下し、結晶の高品質化が成された。 4. BeZnSeTe活性層をMgSe/BeZnTe超格子で挟み、pクラッド層にNドープMgSe/BeZnTe超格子、nクラッド層にClドープMgSe/ZnCdSe超格子を用いたLED構造を作製し、電流注入により評価したところ、室温においてピーク波長552nmの黄緑色発光を得た。しかし、発光強度は低く、素子抵抗も高いため、クラッド層のドーピング濃度やクラッド層から活性層へのキャリア注入構造の改善が必要であることが示された。
|