2009 Fiscal Year Annual Research Report
絶縁膜と半導体における界面ダイポールの定量的把握とモデル化に関する研究
Project/Area Number |
21246008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩井 洋 Tokyo Institute of Technology, フロンティア研究センター, 教授 (40313358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角嶋 邦之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (50401568)
AHMET Parhat 東京工業大学, フロンティア研究センター, 特任准教授 (00418675)
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Keywords | 表面・界面物性 |
Research Abstract |
絶縁膜と基板の界面に存在する界面ダイポールの定量化とモデリングを行うために、希土類酸化物とシリコン基板の界面を対象として研究を進めている。平成二一年度はランタン酸化膜、セリウム酸化膜、プラセオジミウム酸化膜、ツリウム酸化膜の四種類の絶縁膜を選択し、シリコン基板との界面について検討を行った。実験にはそれぞれ膜厚の異なるキャパシタを作製し、膜厚に依存するフラットバンド電圧の変化を調査した。その結果、セリウム酸化膜のみ正の膜中固定電荷を有する特性を示し、価数揺動に起因する界面層の成長の点で他の材料と大きく異なることがわかった。そこで、界面ダイポールを定量的に把握するためには、界面反応の違いも考慮にいれてモデルを構築する必要があると判断し、今後熱処理プロセスを変化させて膜厚によるフラットバンド電圧のシフトを把握し、界面層成長の違いによるシフト量と界面ダイポール量の切り分け作業を行っていく予定である。また、シリコン基板の(100)、(110)、(111)面の3種類の面方位に対して生じる界面ダイポール量の違いを把握するために複数の膜厚を有するランタン酸化膜のキャパシタを作製した。その結果、全く同様のプロセスを施した場合には界面層成長に大きな違いは見られなかった。しかし、膜厚によるフラットバンド電圧のシフトが大きく異なることがわかり、面方位に依存した界面ダイポールの存在を示唆する結果を得た。このことは界面結合に寄与する原子密度が界面ダイポール量に影響を与えることを意味している。今後、界面準位によるフラットバンドシフトの影響を切り分ける作業を次年度に行う予定である。
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Research Products
(5 results)