2010 Fiscal Year Annual Research Report
絶縁膜と半導体における界面ダイポールの定量的把握とモデル化に関する研究
Project/Area Number |
21246008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩井 洋 東京工業大学, フロンティア研究機構, 教授 (40313358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角嶋 邦之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (50401568)
AHMET Parhat 東京工業大学, フロンティア研究機構, 特任准教授 (00418675)
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Keywords | 界面ダイポール / シリケート / 価数変化 / 固定電荷 |
Research Abstract |
平成22年度の繰り越し分の予算で、複数の希土類酸化物を積層した場合のフラットバンド電圧の変化について検討を行った。希土類酸化物とシリコン基板の間にダイポールが存在し、希土類元素の種類によってフラットバンド電圧がシフトするが、異なる希土類酸化物を積層した場合に更にフラットバンド電圧がシフトすることが実験的に明らかになった。このことは、シリコン基板に直接接する希土類酸化物の材料以外にフラットバンド電圧をシフトする要因が存在することを示唆している。シフト量の測定精度を高めるために今回の繰り越しを申請し、解析を行った結果、以下の2点の成果を得ることができた。一つ目は、上部に形成する希土類酸化物の希土類元素の種類によってフラットバンドが異なるということである。具体的には、La_2O_3膜に対してTm_2O_3膜、あるいはNd_2O_3膜を上部に形成するとフラットバンド電圧は負方向にシフトする。一方、価数が変化する材料、例えばPrOx膜およびCeO_x膜はフラットバンド電圧を正方向にシフトする。酸素のイオン伝導率と強い相関が見られ、界面に供給される酸素原子の大小でフラットバンド電圧のシフト量と向きが決まると考えられる。二つ目は、異種の希土類酸化物を上部に形成しても界面の特性、即ち界面準位やキャリア移動度は変化しないということである。このことは、フラットバンド電圧のシフトは、固定電荷量の変化を原因とするものではなく、ダイポール量に変化によるものであると結論づけることができた。
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Research Products
(3 results)