2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246014
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
馬場 俊彦 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 教授 (50202271)
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Keywords | ナノレーザ / フォトニック結晶 / GaInAsP / センシング / バイオ |
Research Abstract |
1.周囲環境に対するセンサー感度の向上 格子シフトナノレーザの最小幅30nmの微小スリットを導入すると,レーザモードがスリットの空気内部に強力に閉じ込められる.このモードを利用すると,周囲の屈折率変化に対する感度を従来よりも大幅に高められる.このようなレーザを実際に製作し,レーザ発振を確認すると共に,従来よりも2倍大きな屈折率感度を評価した. 2.温度無依存化による超狭線幅化 上記のスリット付きレーザをバイオセンシングなどで常用される水中に置くと,レーザモードが水を感じるようになる.水は負の屈折温度係数をもつため,半導体の正の温度係数を相殺する効果がある.結果として,温度揺らぎに対するスペクトル広がりが従来より大幅に小さくなり,センサー分解能が向上された. 3.化学的安定性の向上 レーザ材料であるGaInAsPに対してDNAやタンパク質を修飾する実験を行った.その際,レーザ材料のわずかな酸化や溶解の影響を評価し,あらかじめレーザを強制酸化させることで安定性が向上することを見いだした.またプローブ修飾液や緩衝液の最適化を行った. 4.DNA,タンパク質のセンシング実験 DNAについては予想されるセンシング特性が安定して得られず,DNAの吸着とレーザ特性の間に何らかの相関関係があることがわかった.この点は次年度追求する.タンパク質についてはBSAを用い,100pM以下の低濃度に至るまでセンシングを確認した.またリアルタイム測定も行い,吸着係数がタンパク質の標準的な値であることも確認した. 5.マイクロフルイディクスデバイスの作製 当初,大がかりな光造形を計画していたが,当面の実験でそれらは本質的ではないことがわかり,今年度は不要な吸着を排除するPDMS樹脂の調査と簡単な造形を行った.これを次年度以降のセンシングで利用する.
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Research Products
(11 results)