2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246014
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
馬場 俊彦 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (50202271)
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Keywords | ナノレーザ / フォトニック結晶 / GaInAsP / センシング / バイオ |
Research Abstract |
(1)高性能ナノスロットナノレーザの実現昨年度,試作に成功したナノスロット付き格子シフトナノレーザのプロセスと構造を最適化し,幅30nmのスロットの安定的な作製と安定的な発振を得ることに成功した.昨年度,実証した温度無依存化,狭スペクトル化も安定的に得られるようになり,高感度センシングの再現性が向上した. (2)超高感度タンパク質センシングの実証昨年度はタンパク質センシングを試行したが,本年度はより詳細に特性を分析した.その結果,タンパク質の低濃度領域と高濃度領域で別々のセンシング信号が生じることがわかった.特に低濃度領域の信号は,世界最高感度に匹敵する100fM級の超低濃度から生じることがわかった.このような振る舞いはナノスロットによるセンシングとその他の場所でのセンシングを別々に考えてラングミュアー吸着等温式にフィッティングさせることで説明された.特にナノスロットでは光勾配力によるタンパク質の吸引捕獲が示唆された.このような低濃度は濃縮プロセスなしの癌マーカー検査等に役立つと考えられ,さらに検証を進めている. (3)抗原抗体反応の検出(2)のセンシングは吸着剤を利用した非特異吸着実験であったが,完全な標識不要のセンシングを実証するため,抗原抗体モデル(ビオチン/ストレプトアビジン)を用いた実験を行った.その結果,予想されたセンシングが得られた. (4)マイクロフルイディクスデバイスの作製タンパク質センシングでは,導入したタンパク質がセンサーに達する前に周囲に吸着し,特性を瞹昧にすることが懸念された.そこでこのような吸着が抑えられるPDMS樹脂の流路を作製した.今後,これを実験に活用する.
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Research Products
(8 results)