2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246014
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
馬場 俊彦 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (50202271)
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Keywords | バイオフォトニクス / バイオセンシング / ラボオンチップ / フォトニック結晶 / ナノレーザ |
Research Abstract |
ナノレーザにより生体分子間相互作用をリアルタイム検出するセンサーを作製した.特に本代表者が実現したフォトニック結晶ナノレーザの高い検出分解能と空間分解能を生かし,従来は不可能であった単一分子レベルの解析能力を目指した.これは生体の機能解析という学術のみならず,医療診断,DNAの複製や試験,免疫反応検出,創薬,食品安全検査,環境ホルモンの検出など,幅広い応用にインパクトをもたらすと期待した. 当初,DNAのセンシングを標榜していたが,タンパク質や細胞のセンシングの方がより本研究のナノレーザセンサーの特長が発揮できることがわかった.昨年度、タンパク質センシングについては世界記録的な高感度や特異結合ラベルフリーセンシングが得られ,細胞センシングの実証にも成功した.最終年度である本年度は以下の研究を実施した. (1)特異結合を利用したラベルフリータンパク質センシングの超高感度の実証:昨年度に得られた非特異結合に対する超低濃度検出を抗原抗体反応のラベルフリーセンシングに適用し,1aM以下の超低濃度観測を実証した. (2)ナノスロットナノレーザによる超高感度の解明:ナノスロットを導入すると,金ナノ粒子やカーボンナノチューブFETなど最高感度を示すバイオセンサーと同等の超高感度が安定的に得られる.この原因を突き止めた.すなわち,スロット内にレーザモードが集中することが計算され,これによる光放射圧がタンパク質を補足した可能性が高い. (3)細胞のリアルタイム観測:昨年度の研究で6x6のナノレーザアレイの上に汎用細胞であるHeLaを培養し,各ナノレーザの波長を意図的に変えることで,細胞各部の挙動をリアルタイムに観測することに成功した.本年度はこのアレイの規模を20x20にまで拡大し,明瞭な映像として取得した.
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