2009 Fiscal Year Annual Research Report
界面物理現象の詳細解析による流れのマルチスケール性の解明
Project/Area Number |
21246033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 洋一郎 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (60111473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 和靖 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任准教授 (50466786)
竹内 伸太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (50372628)
葭仲 潔 東京大学, 大学院・工学糸研究科, 講師 (90358341)
杵淵 郁也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (30456165)
小笠原 紀行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 研究員 (00552184)
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Keywords | 流体工学 / 混相流 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本研究課題では、(1)界面活性剤が気泡(群)の挙動に与える影響の解析、(2)近接界面間の相互作用の詳細解析、(3)微小流路内における固気液三相界面の物理現象の詳細な解明、(4)界面の分子論的解析を対象とし、これらを通して流れのマルチスケール解析手法を確立することを目的としている。平成21年度の実施内容は以下の通りである。 課題1に関しては、濃度が既知な蛍光性界面活性剤溶液と高感度高速度デジタルカメラを用い、バルク中の活性剤濃度を蛍光発光強度から測定する手法を開発した。また、超純水中に異なる濃度で界面活性剤を溶解させ、気液界面境界条件をフリースリップからノースリップまでの任意の状態に設定しつつ、気泡運動の軌跡・気泡形状の同時計測を行ない、推定される気液界面状態と気泡運動の関連を定量的に明らかにした。 課題2に関しては、近接する二つの気液界面に微小振幅近似を行ない、時間発達する波について調べた。波数と周波数に関する分散関係を、表面張力係数と気液密度比を含む形式で得た。また、得られた固有方程式を解くと二対の固有波が求まり、一つは漸近安定、もう一つは(二つの界面の)位相差によって安定性が変わることが予想される。また界面追跡法の一種を用いた数値計算手法によって、二つの気液界面が接近した後に跳ね返る問題を扱い、表面張力係数をパラメータとして反発の様子について解析を進めている。 課題3に関しては、T字型マイクロチャネルを用いた気泡生成過程の計測を目的として、1Mfpsで撮影可能な超高速度カメラを用いて、顕微鏡下で界面の観察及びトレーサー粒子を用いた粒子画像計測法による液相速度場の計測を可能とする実験システムを構築した。 なお、課題4に関しては平成22年度に、界面活性剤の吸着による界面の応力分布変化の詳細機構を分子動力学シミュレーションにより解析することを計画している。
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Research Products
(29 results)