2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 浩一 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80228410)
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Keywords | 神経ネットワーク / ビジュアルサーボ / ロックオントラッキング顕微鏡 / 蛍光観察 / 画像処理 / 行動解析 |
Research Abstract |
当該年度は,対象の重なりや変形に対してロバストなトラッキングアルゴリズムを開発した.具体的には,対象を剛体平面と仮定し,テンプレート画像と注目領域との間に成り立つホモグラフィを推定して追跡を行う.ホモグラフィのパラメータとしては,2次元の並進移動と回転の3つのパラメータを推定する非線形最小化問題を解くことにより,線虫の体の模様をトラッキングすることに成功した.画像間の最小二乗誤差を最小化しているため,トラッキング対象である線虫が体をくねらせて変形する場合や,ゴミなどで体の一部が隠れる場合にも,テンプレート画像に最も合致する部分をトラッキングすることができる.このトラッキングにより,線虫の多くの神経細胞が存在する頭部を高倍率で長時間追跡することが可能となり,神経細胞活動の観察に大いに役立てることができる.追跡には高速CMOSカメラを使用した.画像サイズ400x400ピクセル,テンプレートサイズ50x50ピクセルで500fps程度の画像処理が実現できている.高解像度の画像を用いて,短い制御周期で顕微鏡ステージを制御することにより,線虫の行動を解析する際の空間・時間分解能が向上した. 蛍光画像取得に用いるEM-CCDカメラを導入した.ビニング処理や部分読み出しを行うことで150fps程度の高フレームレートでの蛍光画像取得が可能となった.高フレームレートでの蛍光画像取得は,素早い神経活動の変化を見逃さずに観察することに大きく役立てることができると考えられる. パーティクルフィルタを利用したゾウリムシの運動予測をトラッキングシステムに組み込むことに成功した.これによりそれほど大きな計算時間の増加はないものの,ゾウリムシのトラッキング時間が大幅に向上した.
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