2012 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲ダイナミックアクティブセンシングによる生体眼の構造剛性と眼圧剛性の分離
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21246043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金子 真 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70224607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東森 充 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30346522)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生体計測 / メカトロニクス / 眼圧計測 |
Research Abstract |
本研究では空気噴流を利用して角膜表面 に力印加を行い、高速ビジョンを用いて角膜変形を計測し、その変形特性から角膜剛性が作り出す等価角膜圧を 評価し、結果的に真の眼圧を評価する方法を確立し、臨床応用にまでもっていこうとしている。細分化すると二つの研究の方向性がある。一つは高速カメラと空気噴流印加システムを用いた生体眼の非浸襲ダイナミックアクティブセンシングシステムをハード、ソフト両面から構築する方向性で、もう一つは臨床実験を通じて健常者と眼疾患患者の角膜変形特性と眼圧との関係についての調べることである。センシングシステムの構築に対しては、前年度から引き続き角膜変形特性の実時間特性解析に挑戦した。平成24年度にはヒトの眼に優しくかつ撮像素子には高感度 に反応する光源を用い、さらに処理エリアを極限まで縮小することにより、画像一フレーム0.1ミリ秒で解析できるところまで到達した(研究分担者:東森充)。これにより、角膜変形追跡のオンライン処理の実用化が一気に現実的なものになったと考えている。一方、眼球内組織が極端に変化する眼疾患、例えば硝子体液状化現象を患っている患者の眼に対して、空気噴流印加時の角膜変形の時間応答特性が眼圧とどのように相関しているのかといった点について調べるため、平成24年度に購入した吸光光度計を用いて吸光度特性の観点からの両者の差分を調べる実験を行った。平成24年度は、硝子体を模擬したゼリー状物質とゼリー状になる前の液体に対してそれぞれ吸光度特性を調べ、両者に違いがでるところまで確認することができた(研究代表者:金子真、研究分担者:多田隈建二郎)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的である構造剛性と眼圧剛性の分離という最大の研究目的については、通常の計器から得られる眼圧値だけでなく空気噴流印加時の角膜変形や角膜曲率に着目することにより、構造剛性の影響が定性的ではあるものの評価できることまですでに確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
眼科臨床分野でニーズの高い、非侵襲硝子体状態推定法を確立し、硝子体がゼリー状かそれとも液状なのかということが見分けられるバイオマーカの導出を目指す。
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