2010 Fiscal Year Annual Research Report
省エネモータ開発のためのインバータ駆動時の実状態考慮磁界解析と実証実験
Project/Area Number |
21246046
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 則雄 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40108121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 大輔 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (10346413)
赤津 観 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (90361740)
後藤 雄治 大分大学, 工学部, 准教授 (00373184)
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Keywords | 電気機器 / モータ / インバータ / 有限要素法 / 磁気特性 / 回転磁束 / 鉄損 / 省エネ |
Research Abstract |
実機の状態での磁気特性を考慮して構築した三次元有限要素磁界・温度分布解析システムを用いて,実機モータのインバータ駆動時の磁界解析を行うとともに,モータの鉄損等の詳細な測定を行って,鉄損推定精度が向上していることを確かめ,解析システムの実用化を図るために,以下の研究を行なった。 (1)インバータ駆動時の波形に対応したひずみ波交番鉄損の推定法の開発 調波分析を行う方法.実効値磁束密度を用いる方法、マイナーループの数と位置を考慮した方法などの比較検討を行った。 (2)ヒステリシス及び異方性のモデリング法の検討 マイナーループまで考慮したヒステリシスのモデルが実測とさらによく合うようにヒステリシス損増加係数を導入する方法を提案した。さらに,磁気特性の異方性のモデリング法の検討を行い,Fixed Point法と組み合わせれば、従来のニュートン・ラフソン法よりも高速に解が得られることを示した。 (3)回転磁束下の鉄損の精度良い測定法の開発 回転磁界下の回転ヒステリシスと渦電流の振る舞いの詳細を実測により明らかにするために、1.8Tまでの高磁束密度で励磁が可能な回転磁束下鉄損測定用単板磁気試験器を製作し、精度良い測定が可能なことを示した。 (4)インバータ駆動時のモータ損失の解析・実験 インバータ駆動されるPMモータにおいて,家電等で用いられる120度通電方式と,高性能制御方法である180度正弦波PWM方式での駆動効率の比較を行った。対象モータは誘起電圧が正弦波のモータと矩形波のモータを2種類用意し,それぞれ120度通電方式とPWM方式で駆動した。結果として,誘起電圧が矩形波のモータに120度通電方式を用いた場合,モータ鉄損は特に高速度領域でPWM方式と同等となるが,インバータ効率がPWM方式よりも高いため,総合効率が正弦波モータにPWM制御を用いた場合よりも高くなることが分かった。本研究結果により騒音,振動が気にならない箇所であれば120度通電方式で駆動した方が省エネを実現できることが明らかになった。 (5)リラクタンスネットワーク法を用いた解析の高速化非線形磁気特性を考慮に入れたリラクタンスネットワーク法による解析は、解析対象を単純化するため、二次元静磁場における閉磁路問題での検討を行った。リラクタンスネットワーク法では有限要素法のように多くのメッシュ分割を必要とせず、解析するモデル形状が極端に変化する部分のみ細かく要素分割するだけで良い。通常の有限要素解析で168分割必要なモデルに対し,リラクタンスネットワーク法では25分割で同程度の解析が可能になる事を確かめた。今後は、分割数を増やし、さらに実験との比較検討も行う予定である。
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Research Products
(6 results)