2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ秒パルス放電プラズマによる環境軽負荷プロセスの実現
Project/Area Number |
21246047
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
浪平 隆男 熊本大学, バイオエレクトリクス研究センター, 准教授 (40315289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 浩一 岩手大学, 工学部, 教授 (00216615)
杤久保 文嘉 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (90244417)
小野 亮 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (90323443)
王 斗艶 熊本大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30508651)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ秒 / パルス / 放電 / ストリーマ / プラズマ / エネルギー効率 |
Research Abstract |
「つくる」グループでは、伝送線路方式ナノ秒パルス電源において、開発済みの時間幅2 nsを有するナノ秒パルス電源による更なるオゾン収率の向上及び一酸化窒素還元エネルギー効率の向上を確認した。また、半導体オープニングスイッチ方式ナノ秒パルス電源において、アレスタによる改良を行い、それによる更なるオゾン収率の向上を確認した。 「はかる」グループでは、超高速高電界パルス印加の場合、ストリーマヘッド通過後に残るストリーマチャネルの電界が高くなることが予想され、そのチャネルの電界で電子を効率よく加速できる可能性があることを示唆する観測結果を得るとともに、80 nsと8 nsのパルスストリーマ放電でOHの生成量を比較した結果、8 nsパルスでも80 nsパルスに遜色ないだけの活性種生成能力があることを実証した。また、数値計算では、特にリアクタ形状に注目し、これまでの平行平板電極間計算コードを同軸円筒型電極へ深化させ、外部パラメータ(印加電圧波形、電圧極性など)とストリーマの進展特性(ストリーマヘッドの電荷密度や電界、進展速度など)の関係を一次元流体モデルによって精査した。 「つかう」グループでは、ナノ秒パルス放電の排水処理への適応性を確認し、昨年度までの脱色への適応性のみならず、酢酸やフェノール、ジオキサン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、PFOSなどの難分解性有機化合物の分解が可能であることを実証し、排水処理全般への適応性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、「ナノ秒パルス放電」を「つくる」、「はかる」、「つかう」の3つの観点より科学的・工学的に探究することで、ナノ秒パルス放電プラズマプロセスの実用化を検討する際の懸案事項となる「信頼性・安定性」、「性能保証」、「将来性」に対する3つの不安を払拭することを目的としているが、現状、ナノ秒パルス電源の安定性は増し、かつ、ナノ秒パルス放電の物理・化学的性質も明らかになり、ナノ秒パルスで放電の酸化・還元能の評価も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノ秒パルス電源の更なる短パルス化、及び、ナノ秒パルス放電シミュレーションコードの計算時間短縮、ナノ秒パルス放電中化学的活性種の計測、ナノ秒パルス放電の酸化・還元能把握を更に高度に進めることで、最終目標の達成は可能と考えられる。
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