2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属微小光共振器埋め込み量子ドットにおける電子―光子状態変換に関する研究
Project/Area Number |
21246048
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
末宗 幾夫 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (00112178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊野 英和 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (70292042)
笹倉 弘理 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (90374595)
植杉 克弘 室蘭工業大学, 工学部, 准教授 (70261352)
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Keywords | 半導体量子ドット / 金属埋め込み / 単一光子光源 / オンデマンド / 光子相関測定 / 荷電励起子 / 2次相関関数 / FDTD |
Research Abstract |
本研究では、半導体量子ドットを金属導体に埋め込み、高量子効率で光子を外部検出系に取り出すこと、これを使って単一光子光源のオンデマンド動作実現を目指すこと、高効率な単一光子の円偏光と電子スピン間のコヒーレント量子状態変換を目指している。 今年度、InAs量子ドットを埋め込んだGaAsを円柱状に堀り込み、ニオビウム金属中に埋め込んだ状態で、単一InAs量子ドットから、シャープな励起子発光線を観測し、さらにその強度が、埋め込まれていない場合に比べて、40倍程度増大することを確認している。この発光強度の増大を明確にするために、光パルス励起で一度に単一光子を発生する条件で量子ドットを駆動し、光子相関測定を行った。その結果、荷電励起子発光について、単一光子発生を示すアンチバンチング特性を観測した。さらにその特性を示す2次相関関数g^<(2)>(0)として0.02というこれまで世界で報告されている最も低い値と同程度の良好な特性を確認した。特にこれまで世界で報告されている例は「準共鳴励起」によるもので、今後「準共鳴励起」により、さらに特性の向上が期待され、量子鍵配送実験でのエラー率の低下が期待される。 このパルス励起毎に単一光子発生する条件を用い、光子検出器で検出される光子数との比較から、(光子の発生効率)*(光子の取り出し効率)を見積もる方法を考案した。その結果、量子効率6.8%が見積もられた。今後さらに検討を加えて効率の改善を図る。またFDTD計算を用い、GaAs円柱内のInAsドットの位置と励起効率、光子の取り出し効率の最適化を進めつつある。特に円柱内部の電磁界定在波分布の「腹」の位置にドットを配置することが重要であることがわかった。
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Research Products
(5 results)