2010 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレント位相スピントランスファーマイクロ波発振磁性体の開発
Project/Area Number |
21246049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐橋 政司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20361123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 正晶 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10237167)
三宅 耕作 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20374960)
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Keywords | ナノ接点 / 強磁性体 / スピンバルブ構造 / 狭窄磁壁 / スピントランスファー / マイクロ波発振 / スピントロニクス / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究課題の主要研究題目である「強磁性ナノ接点スピンバルブ磁性体」の磁気抵抗特性,直流電流駆動マイクロ波発振特性,およびそれらの相関について,磁界と電流を制御変数とした実験研究を行い,研究協力者(今村裕志)の接点磁気構造および発振についての理論・シミュレーション結果と照らし合わせることで,コヒーレント位相高出力発振への主導原理となる以下の物理的指針を得た。 1.強磁性ナノ接点スピンバルブ磁性体の磁気抵抗原理は,接点に狭窄された磁壁によるスピン依存散乱(Levy & Zhangのミストラッキング理論)とスピン蓄積で説明可能. 2.発振原理は,接点に狭窄された磁壁のスピントランスファー振動を駆動源とする複数の接点間のフリー層(スピン波)を介したコヒーレント位相共鳴. 3.複数の強磁性ナノ接点を含むスピンバルブ磁性体では,接点部において高電流密度化が実現され、5~10MHzの狭線幅発振が可能. 4.スピンバルブ磁性体の磁気抵抗比を高めることで,素子当たりの閾値電流密度が下がり,低消費電力発振が可能. 5.スピンバルブ磁性体構造を最適化することで,発振周波数1.1GHz,実効値にして0.2μWの高出力と5MHzの狭線幅を実証.
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