2009 Fiscal Year Annual Research Report
超高耐圧ロバスト素子を目指した炭化珪素半導体の欠陥制御に関する研究
Project/Area Number |
21246051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木本 恒暢 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (80225078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 淳 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00293887)
西 佑介 京都大学, 工学研究科, 助教 (10512759)
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Keywords | 炭化珪素 / パワーデバイス / 拡張欠陥 / 点欠陥 / キャリア寿命 |
Research Abstract |
超高耐圧素子の作製に必要な高純度・厚膜SiCエピタキシャル成長層の形成と欠陥評価について研究を行った。得られた成果は以下のとおりである。 (1)独自の化学気相堆積法により、70-90μm/hの高速で70-160μmの厚膜SiCエピタキシャル成長層を形成することに成功した。成長層の表面は原子レベルで平坦であり、残留不純物密度が約1E13/cm3という高純度結晶を得た。また、SiCパワーデバイスの信頼性に悪影響を及ぼす基底面転位(基板から伝播)の密度が、成長速度の上昇と共に減少することを見出した。 (2)フォトルミネッセンス(PL)のマッピング測定により、SiC成長層中に存在するin-grown積層欠陥を高速・非破壊に検出できることを示した。SiC成長層中に存在する主要なin-grown積層欠陥には3種類あり、高分解能断面電子顕微鏡(TEM)観察により、各々の欠陥構造を原子レベルで明らかにした。さらに、成長初期プロセスの改良により、積層欠陥密度を大幅に低減することに成功した。 (3)n型SiC成長層に存在する点欠陥(深い準位)をショットキー障壁容量の過渡特性解析(DLTS)により評価した。伝導帯底から約0.6eVおよび1.5eVのエネルギー位置に主要な電子トラップが存在すること、およびこれらの点欠陥は1700℃の高温熱処理を施すことにより、密度を大幅に低減できることを明らかにした。
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