2009 Fiscal Year Annual Research Report
不純物ナノ構造の局所光応答とスケーラブル光子デバイスの実現
Project/Area Number |
21246052
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
和田 修 Kobe University, 工学研究科, 教授 (90335422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 隆 神戸大学, 工学研究科, 教授 (10221186)
小島 磨 神戸大学, 工学研究科, 助教 (00415845)
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Keywords | 不純物 / アイソエレクトロニック発光 / GaAs / 窒素ペア / 光子放出 |
Research Abstract |
本研究ではスケーラブルな光子デバイス応用を目指して励起子のナノ構造を創り上げる。エピタキシャル結晶成長技術によって精密に制御した窒素原子のオーダリングを利用してGaAs中に配列した窒素ペアを作製する。制御された窒素ペアに局在する励起子ナノ構造の局所光応答の基礎物性を明らかにした上で、単一光子・量子もつれ光子対光源、量子ゲート操作など量子通信に利用できるデバイス動作の原理を実証する。そのためには励起子の空間構造の制御だけでなく、放出光の時間的デザイン、すなわち光電場などによる位相制御が必要になる。本年度は配列した不純物を用いた新しいコンセプトの量子ドットとしてふるまう単一励起子ナノ構造を作製し、励起子微細構造偏光分離特性など基礎光物性を明らかにした。 ◆窒素原子ナノ構造の空間制御 本研究では分子線エピタキシー結晶成長技術を駆使してGaAs(001)ウエファ表面に(2x4)再構成構造を作り、その上に原子レベルで制御してブラズマセルで生成した原子状窒素を吸着させた。本研究では、窒素原子の際蒸発の最適化を行い、結合に寄与しない余計な窒素を排除して高品質で超高均一な窒素δドーピングを実現することに成功した。 ◆結晶場による励起子微細構造の設計 上で作製した窒素原子の配列構造の最小構成単位は窒素ペアであると予想される。ペア構造の形状異方性はC2vの対称性を持つので励起子微細構造は完全に縮退が解けている。本研究では高分解能の分光システムにより励起子微細構造を明らかにするとともに、それらの偏光選択則を実験と理論の両面から明らかにした。 ◆励起微細構造構造の精密制御 励起子微細構造を連続的に精密に制御するために、本研究では磁場を印加して励起子微細構造の変化を詳細に追跡した。その結果、もつれ光子対を生成できる磁場条件が存在することを突き止めた。
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Research Products
(23 results)