2010 Fiscal Year Annual Research Report
少数アンテナを用いたUWBレーダー高次イメージング手法の開発
Project/Area Number |
21246065
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 亨 京都大学, 情報学研究科, 教授 (60162450)
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Keywords | UWBレーダ / 3次元イメージング / ドップラー効果 / 超高解像度 |
Research Abstract |
自動車やロボットなど移動体の周囲環境認識やセキュリティシステムなどにおいて、UWB(超広帯域)レーダは室内計測に不可欠なcm級の高分解能を提供する点で注目される。本研究は、従来はイメージングの障害となっていた周囲からの反射波や、目標との相対運動に伴うドップラー効果を積極的に利用し、1本もしくは少数のアンテナのみを用いて、目標の位置や距離にとどまらず形状や運動までの高次の情報を得るイメージング手法を開発することを目的とする。本年度の主要な成果を以下に示す。 (1)単一アンテナによる点状物体の位置計測手法の確立 壁面形状が既知であれば、鏡像点位置が決定できるため未知目標が直接イメージングできるが、これは現実的な仮定ではない。本研究では目標と壁面の両方の形状を推定することを最終的な目標とする。最初の段階としては、送受信アンテナに対する相対位置が正確に計測できる参照用目標を移動させて学習的にイメージングを行い、壁面形状を決定することに成功した。 壁面が局所的に平面で構成されている場合には、目標の移動に伴い鏡像点はある期間安定に存在し、不連続に移動する。個々の局所平面に対応する鏡像点を自動的に分離識別するアルゴリズムを開発した。 (2)ドップラー効果を用いた目標分離による人体形状推定 点状目標が異なるドップラー偏移を持つ場合には、3素子の干渉計で直接目標点位置が決定できる。雑音環境下のこの手法による分解能を、数値実験と室内実験により検証した。 前年度に構築した人体モデルを用いたシミュレーションにより、目標のイメージングを行った。自由空間に人体が存在する場合と反射壁に囲まれた室内を平行移動する場合を比較し、遅延して到達する反射波を利用して送受信点からは直接に見えない背面を含めたイメージングを行い、壁面形状や目標と壁の相対位置に対するイメージングの精度の変化を定量的に評価した。
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