2009 Fiscal Year Annual Research Report
一般化周波数変数を有する動的システム論:大規模系の性能評価と自律分散推定・制御
Project/Area Number |
21246067
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 辰次 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80134972)
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Keywords | 一般化周波数変数を持つ動的システム / マルチエージェントシステム / 自律分散制御 / 大規模階層化動的システム / ロバスト安定性 / 協調安定化 / 遺伝子制御ネットワーク / 分散データ処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、対象はネットワークで結合された大規模系を対象とし、その動的挙動を系統的に解析・設計する統一的な理論を構築することであり、(1)解析手法(性能評価法)の構築、(2)設計手法(同定・推定・制御)の開発、(3)応用による検証、の3つに分けて研究を遂行している。平成21年度の研究成果は、以下の通りである。 (1)「解析手法」に関しては、制御性能の評価として標準的であるH2ノルム・H∞ノルムの計算法を導出した。特に、H∞ノルムに関しては、数式処理(QE手法)による計算法を提案し、接続行列の固有値と制御性能の関係を明らかにした。また、H∞ノルムとロバスト安定条件との関係を明確にした。 (2)「設計手法」に関しては、分散制御による協調安定化問題を定式化し、単独で安定化できない制御対象に対して複数のエージェントが情報交換を行うことにより安定化できるための条件を導出し、それを達成する分散制御即の性質を明らかにした。 (3)「応用」に関しては、遺伝子制御ネットワークの周期振動解の存在条件とその性質について理論解析を行い、平衡点の周りの線形化システムに対して、解析手法で得られた理論的結果を適用することにより、それに関与する生物学的パラメータの抽出を行った。また、「分散データ処理」の具体的な課題の一つとして「Googleにおけるページランクアルゴリズム」を設定し、問題の定式化を行った。
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