2010 Fiscal Year Annual Research Report
一般化周波数変数を有する動的システム論:大規模系の性能評価と自律分散推定・制御
| Project/Area Number |
21246067
|
|---|
| Research Institution | The University of Tokyo |
|---|
Principal Investigator |
原 辰次 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80134972)
|
|---|
| Keywords | 一般化周波数変数を持つ動的システム / マルチエージェントシステム / 自律分散制御 / 大規模階層化動的システム / ロバスト安定性 / 協調安定化 / 遺伝子制御ネットワーク / 分散データ処理 |
|---|
| Research Abstract |
本研究の目的は、対象はネットワークで結合された大規模系を対象とし、その動的挙動を系統的に解析・設計する統一的な理論を構築することであり、(1)解析手法(性能評価法)の構築、(2)設計手法(同定・推定・制御)の開発、(3)応用による検証、の3つに分けて研究を遂行している。平成22年度の研究成果は、以下の通りである。
(1)「解析手法」に関しては、非一様なマルチエージェントシステムを取り扱うため、3つのタイプ変動について考察し、それぞれに対応するロバスト安定条件を導出し、H∞ノルムとの関係を明らかにした。また、非線形オシレータからなるネットワーク系に対して、複数の周期解が存在するための条件を明らかにし、その周期に関する解析的な結果を導出した。
(2)「設計手法」に関しては、非一様な階層化システムに対する問題設定を行い、低ランク接続の場合の接続行列の固有値分布を導出するとともに、それに基づいた安定化の手法を提案した。さらに、ネットワークの代数構造に着目し、最適制御の枠組みで望みの階層構造を持つ分散制御系を設計する手法を提案した。
(3)「応用」に関しては、遺伝子ネットワークシステムのロバスト安定条件を導出するとともに、周期振動条件のもとでの周期振動のプロファイルを推定する手法を提案した。また、車の自動走行システムへの適用も行い、車間前後の情報を適切に行う制御側を導出した。
|
