2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246076
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東畑 郁生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内村 太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60292885)
山田 卓 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70451789)
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Keywords | 物理的風化 / 岩石 / 三軸圧縮試験 / ポイントローディング / 斜面崩壊 / 化学的風化 / S波伝播速度 / 凍結融解 |
Research Abstract |
加熱凍結の繰り返しが可能な三軸せん断装置を用いて、国内外から採取した岩の物理的風化再現実験を行った。風化の進展とともに微小変形時の剛性(せん断剛性)が減少していく様子を追跡し、かつ破壊実験も実施して、剛性と強度との相関関係が岩種によらずほぼ一定であることを見出した。これにより、現場の非破壊実験(S波伝播速度の測定)から、風化岩盤斜面の強度推定、崩壊危険性の評価が可能である。さらに、風化が進行して岩石に分解している斜面について、上記非破壊実験及び現場せん断破壊実験、現場貫入実験を行い、ふたたび剛性と強度の相関関係を得た。この関係は上述の岩盤におけるものとは異なっているものの、同じ用途に使用することができる。 三軸せん断実験では、やや大型の岩石サンプルを円柱型に整形する必要があり、研究が容易ではない。そこで短時間に多数の岩石サンプルの強度を決定できる方法として、ポイントローディング強度実験を導入した。国内の花崗岩地帯およびブータンで交通路の安全を脅かしている堆積岩地帯から多数の岩石を収集し、凍結融解後の強度を測定した。花崗岩は風化しやすい、という説があるが、その風化進展は、堆積岩よりはるかに遅いことを見出した。 さらに、化学的風化プロセスを再現して詳細を研究するため、酸が作用したときの岩石表面の凹凸進行を、顕微鏡観察した。一般に凹凸の程度は酸によって増加、すなわち化学的な風化に脆弱な部分に酸の作用が集中し、表面の凹凸が甚だしくなることを見出した。したがって岩盤の中で脆弱化が進行することが予想される半面、岩石表面の凹凸が増せば、表面摩擦は増加することも考えられ、化学的風化が斜面安定に及ぼす影響は、簡単ではない。 冒頭に述べた崩壊危険性の検討で、危険と判断された斜面では、ただちに高価な斜面補強に着手するのではなく、まず現場斜面の運動モニタリングを行い、崩壊につながると判断される運動が検知された場合に避難警報を出す、という防災体制を提案する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Geotechnical aspects of the Sumatra earthquake of September 30, 2009, earthquake2011
Author(s)
Gratchev, I., Irsyam, M., Towhata, I., Muin, B., Nawir, H.
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Journal Title
Soils and Foundations
Volume: 51
Pages: 333-341
Peer Reviewed
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