2009 Fiscal Year Annual Research Report
諌早湾における物理・生物環境の総合調査-6.27諫早湾干拓佐賀地裁判決を受けて-
Project/Area Number |
21246078
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松永 信博 Kyushu University, 総合理工学研究院, 教授 (50157335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 利光 九州大学, 工学研究院, 教授 (50091343)
千葉 賢 四日市大学, 環境情報学部, 教授 (90298654)
多田 彰秀 長崎大学, 工学部, 教授 (90144328)
山田 文彦 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (60264280)
大串 浩一郎 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (00185232)
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Keywords | 諫早湾 / 底室環境 / 物理環境 / 生物化学環境 |
Research Abstract |
平成21年度に行った研究と得られた成果は以下の通りである。 (1) これまで行われた有明海および諫早湾における物理・生物化学的環境に関する先行研究を取りまとめ、諫早湾干拓事業に関する環境影響評価を行うと共に、諫早湾の開門調査の意義を明らかにした。2000年海苔の色落ち問題により諫早湾の干拓事業と有明海奥部の環境異変との関係が顕在化したが、10年間の研究成果をまとめるとその因果関係ははっきりしないというのが実情である。しかし、諫早湾内の底泥環境は潮受け堤防建設後、悪化していることを確認した。 (2) 九州農政局の20年間のデータを解析し、諫早湾締め切りを境に、湾奥部と湾央部で底泥環境の著しい悪化が認められた。これは当然の結果であり、潮受け堤防建設により流況が大きく変化したためである。しかしながら、湾口部における経年変化はそれ程大きくなかった。 (3) 諫早湾における底泥環境の総合調査を行い、底泥粒径、含有有機物量、酸化還元電位、酸揮発性硫化物、クロロフィルa、フェオフィチン、間隙水中の栄養塩濃度等を測定した。諫早湾奥部における底泥中にはかなりの有機物が堆積し、嫌気状態となり硫酸還元反応が進んでいることを明らかにした。 (4) アメダスデータの解析により、夏季において諫早湾内では南風が卓越することを明らかにした。諫早湾を吹き抜けるこの南風は、雲仙岳と多良岳によって縮流・加速され、風速が強められることを明らかにした。多良岳と雲仙岳の背後には渦流れが形成され、対岸の白石や岱明では風速が弱まり、風向が安定しないことを明らかにした。密度成層が発達し、海表面に南風が作用する場合、島原半島沿いに貧酸素水塊が湧昇することを見出した。 (5) 諫早湾および調整池における既存の水質観測データについてGISを用いて整理し、この水域の季節的,空間的な特性を把握した。さらに、2000年と2007年の人工衛星画像による同水域の広域の水質分布を推定し現象を考察した。
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Research Products
(5 results)