2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246093
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 毅 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20168355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 伸之 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40092374)
篠原 修 政策研究大学院大学, 政策研究科, 名誉教授・教授 (70101110)
御厨 貴 東京大学, 先端技術研究センター, 教授 (00092338)
陣内 秀信 法政大学, デザイン工学部, 教授 (40134481)
中島 智章 工学院大学, 工学部, 准教授 (80348862)
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Keywords | オランダ / フリースラント / ドックム / ボルスワルド / テルプ |
Research Abstract |
22年度実施予定のオランダ・フリースラント調査が日程の関係から実現できなかったため、23年度9月中旬から下旬にかけてあらためて日程を再調整して行った。調査地はフリースラント州ドックムとボルスワルドの2都市であって、いずれもフリースラント11都市のなかで古い起源をもつ中世都市である。現地では都市形成過程と深く関係すると予測される住宅をそれぞれ数棟実測調査を行うとともに、水路(水路幅・流水方向・護岸形式など)調査を導入し、インフラストラクチャーと都市形成とを絡める論点を一歩進めることができた。またいずれの都市もテルプと呼ばれる微高地を基盤として初期のセツルメントが開始され、その後水路を導きの線としながら都市発展が進んだとみられるので、重要な部分の都市断面を採図した。一方、テルプの実態を理解するために、田園地帯に保存されているテルプの踏査を行い、あわせて必要な資料調査を実施した。なお、来年度調査予定のレーワルデンおよびスネークについて、それぞれ予備調査を行い、実測調査を行うべき住宅についてリストアップをすませた。このなかでレーワルデンにある住宅は16世紀末のきわめて古い形式を残しており、しかもそれが数棟並んで同時に建設されたことが判明し、オランダ・フリースラント諸都市が16世紀末から17世紀にかけて一挙に都市化をとげるプロセスのなかで、一種の住宅地開発のようなものが行われた可能性を示唆する重要な事例であり、今後も継続して調査分析を行うことになる。
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