2009 Fiscal Year Annual Research Report
X線回折・非弾性散乱と粘弾性周波数解析による金属ガラス不均一構造の発達過程
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21246094
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
松原 英一郎 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (90173864)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市坪 哲 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40324826)
才田 淳治 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 准教授 (20359540)
平田 秋彦 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (90350488)
八木 俊介 京都大学, 工学研究科, 助教 (60452273)
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| Keywords | 金属ガラス / アモルファス金属 / 構造緩和 / 構造解析 / フラジリティー / ガラス転移 |
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| Research Abstract |
本申請研究では,回折手法とX線非弾性散乱スペクトロスコピー,透過電子顕微鏡観察を組み合わせ金属ガラス中の基本構造の解析とそれらが連結してできるマクロ構造の解析を行う.また,ガラス転移近傍で音響スペクトロスコピーを使って,金属ガラスの動的粘弾性を測定し,同領域での構造変化と比較し,ガラス転移近傍での基本構造の発展過程を解析することを目的とする。
本年度の研究目標:単純2元合金系を使った基本構造要素コンセプトの検証と緩和に伴う構造変化
(1)2元系Zr-Cuアモルファス金属を使った基本構造(P,I,W)解析
Zr-Cuアモルファス金属は,ガラス転移を示す構造安定な単純アモルファス金属である.先の特定領域研究「金属ガラスの材料科学」において,レナード・ジョーンズポテンシャルを使ったZr-Cuアモルファス金属のMDシミュレーションによる研究が行われた.その結果,20面体は銅の組成と共に単調に増加し,70%付近で最大になることが示された.しかし,実験的には,50%付近からZrの量が多い側で安定なアモルファス相が形成されることが知られており、実験と計算との食い違いはが,アモルファス相の構造に加え,これらアモルファス相から析出する結晶相との関わりがあるかについて、Zr-(30～50)%Cuのアモルファス金属を用いて研究を進めた.これにより,基本構造Iと重点率の相関については明瞭な関係があることが分かった。しかし、構築したモデルの制約から、基本構造Iの量の増加に伴う基本構造Wの量の変化については明瞭な関係を得ることができておらず、モデルのサイズの変更も含め今後の検討課題である。
(2)2元系Zr-Cuアモルファス金属のガラス転移近傍での緩和挙動解析
今年度導入した、粘弾性試験装置を立ち上げ、ガラス転移近傍でのZr-(30～50)%Cuのアモルファス金属の粘弾性挙動測定に着手した。しかし、薄片についての測定技術はこれまで報告されておらず、測定技術に関する試行錯誤を行ってきた。また、フェーズフィールド法による計算機シミュレーションの結果、PとIの競合関係とガラス構造の安定性についての検討から、両領域の界面エネルギーが大きいほど、アモルファス金属のフラジリティーは大きくなることを示した。これは、これまでの金属-非金属系金属ガラスにおいて見られる傾向と同じであり、金属ガラス中の不均一構造の形成機構の理解につながった。
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[Journal Article] Inhomogeneity and glass-forming ability in the bulk metallic glass Pd42.5Ni7.5Cu30P20 as seen via x-ray spectroscopies2009
Author(s)
S.Hosokawa, H.Sato, T, Ichitsubo, M.Nakatake, N.Happo, JF.Berar, N.Boudet, T.Usuki, WC.Pilgrim, E.Matsubara, N.Nishiyama
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Journal Title
Physical Rev. B 80
Pages: Art. No.174204
Peer Reviewed
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