2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246103
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
大沼 正人 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ビームユニット, 主席研究員 (90354208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津崎 兼彰 独立行政法人物質・材料研究機構, 元素戦略センター, センター長 (40179990)
古坂 道広 北海道大学, 工学研究院, 教授 (60156966)
秋山 英二 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料信頼性評価ユニット, 主任研究員 (70231834)
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Keywords | 安全・安心 / 量子ビーム / 軽元素ナノスケール測定 |
Research Abstract |
今年度は震災により中性子施設が長期停止したため、当初計画から変更し、水素を含む軽元素の空間分布をナノスケールで定量的に解析する合金コントラストバリエーション(ACV)法の完成に集中した。この目的で昨年度までに取得した中性子小角散乱データとX線小角散乱データを離礁した解析を進め、電子顕微鏡で観測困難な炭素元素の極小クラスタへの応用およびミクロンレベルのスケール領域に対応する介在物に適用し、論文発表した。前者は転位やナノ析出物界面への水素局在化の評価、後者は応力州中部への水素局在化の評価につながる技術である。これによりACV法がどのスケール領域でも軽元素を含む組成の不均質構造の定量解析に極めて有効であることを確認し、この成果をアメリカ材料系3学会の合同会議であるTMS年会および韓国金属学会で招待講演として発表している。また、ラボX線小角散乱も震災の影響で故障が複数回発生したが比較的早期に復旧できた。中性子小角散乱については国内施設停止に対する国際的な支援の一環として韓国原子力研究所における実験を行った。この実験では現地で鉄鋼材料に対する重水素チャージ実験を行い、水素吸収・脱離による散乱強度変化を測定し、微小なプロファイル形状変化が観測されたため、現在、データの詳細解析を行っている。今後再現実験を含む追加実験を行う予定である。また、大型施設の不慮の停止に対応するため、北海道大学のライナックパルス中性子源を利用した研究を行い、小型パルス中性子利用小角散乱でもナノ析出物評価を可能にすることを目的として試験測定を行い、利用可能であることを実証した。
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Research Products
(7 results)