2011 Fiscal Year Annual Research Report
共焦点サブハーモニック超音波フェーズドアレイによる応力腐食割れの高分解能映像法
Project/Area Number |
21246105
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山中 一司 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (00292227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 良和 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90520875)
辻 俊宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70374965)
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Keywords | 非線形 / サブハーモニック / き裂 / 応力腐食割れ / アレイ |
Research Abstract |
本年度は3年間の研究の最終年度であるため、閉じた疲労き裂や応力腐食割れ(stress corrosion cracking ; SCC)の3次元的高精度映像化により、共焦点SPACEの有効性を検証した。さらに、疲労試験による閉口き裂の標準試験片作製法を確立し、複雑な枝分かれき裂の生成と進展を系統的に解析して、材料工学における困難な問題の解決に資する新しい知見を得ることを目的に研究を行った。 その結果、32素子の送信波を特定の位置に集束し、散乱波を受信用32素子アレイで受信して遅延則を適用することにより、方位分解能の高い共焦点SPACEを開発できた。次にこれを用いて、閉口SCCの3次元的高精度映像化を達成する基礎データを得た。また、閉口き裂の生成・進展挙動の系統的解析を行い、時間領域差分法に新規に減衰のある2重接点を導入した解析法を開発して、き裂の局所的分調波共振概念の検証を試みた。その結果、入射波振幅が小さいとき裂面は接触状態のままで入射波を透過させるが、入射波振幅があるしきい値より大きいとき裂面は接触振動により周期的に開閉振動を行うことを証明した。また、き裂開閉比率が周期ごとに異なる現象を見出し、これが分調波発生の一因であることを見出した。これらに基づき、従来5mm以上あった閉口き裂の計測誤差を大幅に低減させる可能性を実証できた。 また、疲労試験条件を改善して閉口き裂の標準試験片作製法を確立できる可能性を見出し、SCCにおける複雑な枝分かれき裂の生成と進展など材料工学分野における困難な問題の解決に資する新しい知見を得た。これにより、重要構造物の欠陥検査精度を向上させ、維持基準に沿った原子力発電等の安全性・経済性の向上を可能にする技術基盤を確立できた。
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Research Products
(37 results)