2012 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスケール構造制御による高強度金属系ナノ・マイクロマテリアルの創製
Project/Area Number |
21246112
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山崎 徹 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30137252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 和孝 宇部工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10156862)
菊池 丈幸 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50316048)
三浦 永理 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70315258)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Ni-W合金 / 電解析出法 / ナノ結晶材料 / 加工硬化 / 局所変形 / 逆ホールペッチ |
Research Abstract |
金属ガラスやナノ結晶合金は高強度・高硬質材料であり、引張試験時の加工硬化はほとんど認められず、塑性変形が局所的に生じて脆性的に破壊する。一方、電解析出法により作製したNi-Wナノ結晶合金は、高硬質材料であるにもかかわらず、加工硬化を伴う引張塑性変形が認められる。結晶粒サイズが15 nm以下の領域においては、逆ホールペッチの関係が報告されているが、それが塑性変形挙動に与える影響は明らかにされていない。本研究では、種々の組成を有するNi-Wナノ結晶合金を作製し、これら合金の引張試験時の塑性変形挙動について検討し、ナノ結晶合金の加工硬化現象の発現メカニズムについて考察した。 W含有量が23.6 at. %から14.4 at. %の範囲でNi-W合金を作製した。Ni-23.6 at. % W合金はアモルファス構造を示し、Ni-18.2 at. % W合金およびNi-14.4 at. % W合金ではナノ結晶組織を含み、結晶粒サイズはそれぞれ約3 nm、約5 nmであった。いずれの組成においても引張強度は約3,000 MPaと非常に高い値を示した。アモルファスNi-23.6 at. % W合金では、約2 %の弾性変形の後に脆性的な破壊を示したのに対し、Ni-18.2 at. % W合金では約0.8 %の加工硬化を伴う塑性伸びが観察され、Ni-14.4 at. % W合金では加工硬化の後、加工軟化が生じ、破断時の塑性伸びは約2 %に達した。SEM観察の結果、Ni-14.4 at. % W合金では破面近傍で大きな断面収縮がみられ、ディンプルが確認された。引張破面からFIB加工により薄片を切り出しTEM観察を行うと、破面近傍で30~40 nm程度まで粒成長が認められた。これらの結果から、引張時の加工硬化現象は、塑性変形時に動的な粒成長が生じ、逆ホールペッチ則による硬化が生じたと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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