2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246114
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長坂 徹也 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30180467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松八重 一代 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50374997)
谷口 尚司 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (00111253)
島崎 真一 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (00447145)
廣田 憲之 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 主任研究員 (10302770)
平木 岳人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60550069)
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Keywords | 製鋼スラグ / リン資源 / マンガン資源 / 相平衡 / 凝固パス / リサイクル / 2次資源 / 磁気分離 |
Research Abstract |
本研究の目的は、鉄鉱石やスクラップから製鋼スラグ中に移行するリン、マンガン、クロムなどの有価元素を、燐酸カルシウム、マンガノウスタイト、クロマイトスピネル等の結晶相として偏析せしめ、これを母相から磁場印加等の分離操作によって回収し、廃棄物から新たな希少元素資源を得ると同時に、残分を製鋼工程にリサイクルし、製鋼スラグの発生量を大幅に削減しようというものである。申請者は、現場製鋼スラグのミクロ組織を詳細に調べ、スラグ中で燐は主に燐酸カルシウムの形態で存在し、燐をほとんど含まない酸化鉄系結晶マトリックス中で、かなり粗大な結晶粒として著しく偏析していることを明らかにした。また、両者が極端に異なる磁気的性質を有することを明らかにし、強磁場を用いて両者を分離する方法を考案し特許申請した。 本研究では、まず溶銑脱リンスラグを対象に、リンとマンガンの同時偏析を、スラグの相平衡と凝固パス解析によって明らかにし、凝固後スラグに強磁場を印加してリンとマンガンを個別に回収できることを実験的に示した。最終年度では、電炉製鋼法において、スクラップからスラグ中に移行するクロムに着目し、現場スラグ中でのクロムの存在形態について系統的に調べた。その結果、クロムは鉄クロマイト固溶体としてスラグ中に強度に偏析しており、大部分のスラグでは、母相液相にはほとんどクロムが含まれていないことを明らかにした。更に磁気分離操作によって、凝固後スラグからのクロムの分離・回収を行った。これらの結果より、精錬操作後のスラグを冷却速度を制御しながら凝固させることによって、リン、マンガン、クロムなどの有価元素を回収できることを実験的に証明した。
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Research Products
(4 results)