2011 Fiscal Year Annual Research Report
放電およびレーザー照射による超臨界流体プラズマを利用した反応および材料調製
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21246119
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
後藤 元信 熊本大学, バイオエレクトリクス研究センター, 教授 (80170471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 満 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (40363519)
キタイン アルマンド 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (50504693)
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Keywords | 超臨界流体 / 放電プラズマ / レーザー照射 / 化学反応 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
超臨界流体/液体界面および超臨界流体中でプラズマを発生させ、材料プロセシングおよび物質変換手法の開発を目的とした。 同軸円筒状電極を有するナノパルス放電形成・化学反応装置を新たに設計・製作した。反応に関与する放電プラズマ領域を拡大した。高電圧パルス放電対応装置としては世界初である。同軸円筒対ワイヤー電極とすることにより,放電エリアが大幅に拡大し,反応効率の大幅向上が期待できる。また、コロナ状放電が確認できた。 超臨界二酸化炭素中や超臨界アルゴン中におけるパルス放電プラズマによるアラニンの重合化(オリゴペプチド合成)を目指した実験を通じて,超臨界流体中で形成されるナノパルス放電プラズマがアミノ酸と作用し、重合反応を生起する世界に前例のない新規な反応場の確立を目指した.MALDI-TOF-MSのピロール処理後から、高分子量化合物(ピロールのオリゴマー:130~440AMU)が形成された。水面システム中パルス放電プラズマは排水の有機汚染物質や染料(オレンジG、オレンジII、コンゴレッド、ナプトールブルー)を分解するのに有効であった。脱色率が増加し、電界エネルギーの増加によりピークパルス電圧およびパルス数とともに増加した。 超臨界二酸化炭素中でのパルスレーザー照射によるアブレーションおよびそれによる微粒子・薄膜の形成を検討した。金および銀プレートをターゲットとしてレーザー照射し、二酸化炭素の密度とレーザー照射時間の金属プレートへの影響ならびに生成された金属ナノ粒子への影響を検討した。金属プレートに生成したクレーターは圧力8-10MPaにその最大値が観察された。これは臨界点近傍であり、流体の熱容量が最大となるあたりに相当する。生成した微粒子は条件により異なり50nm以下のナノ粒子からサブミクロン粒子であり、条件により粒子の周りに更に微小な粒子が付着している様子が観察された。亜臨界流体中でマイクロ波を照射するシステムの構築が終わり、各種化学反応を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
亜臨界・超臨界流体中での放電プラズマ生成と化学反応への応用は順調に進んでいるが、ナノ材料・薄膜調製についてはやや遅れている。レーザーアブレーションによる材料調製については当初の計画以上に進んでいる。マイクロ波については順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
放電プラズマを用いたプロセスについては新規な装置開発につながる手法を検討する。特に、流通処理ができる小型の装置を工夫する。プラズマ生成法についても他の方法を比較検討し、流通処理に適した方法を探る。レーザーアブレーションについては興味深い現象が見つかっているが、そのメカニズムが明らかになっていないため、種々の工夫をしてメカニズムを明らかにし、研究をさらに展開してゆく。
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Research Products
(15 results)