2010 Fiscal Year Annual Research Report
地形認識および力学環境に注目した月・惑星・小惑星探査ロボットの運動制御
Project/Area Number |
21246122
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 和哉 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00191578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永谷 圭司 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80314649)
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Keywords | 月惑星探査 / 移動ロボット / 地形計測 / 走行制御 / スリップ推定 / レーザーレンジセンサ |
Research Abstract |
本申請研究では,月,火星,小惑星などの地球上とは力学条件の異なる環境において,移動探査を行うロボットの運動制御法を確立することを目的とする. 平成22年度では,以下の3項目について重点的な研究を行い,それぞれに有用な結果を得た. 1.車輪およびクローラーの走行性能検証実験 細かい砂で覆われている月惑星表面の斜面登攀を想定し,さまざまな形状・大きさの車輪・クローラーの登攀性能を比較する実験を行い,データの蓄積を行った.車輪直径(半径)を大きくすると沈下量が減少し,これにともなう走行抵抗も相対的に小さくなり,登攀性能が向上することを定量的に評価した.たとえば,荷重10kgの状態において,10度の傾斜をもつ砂の斜面に対する登攀性能を比較すると,直径100mmの車輪では明らかに性能が悪いが,直径300mmの車輪ではクローラーとの大きな性能の差が無いことが明らかとなった. 2.脚型ロボットの微小重力表面移動の検討と実験 前年度の研究において,脚型ロボットは,小惑星などの微小重力天体の表面を移動する際に,表面にしがみつくように移動することができるというメリットがあることを明らかにした.本年度においては,空気浮上式により微小重力中の運動を模擬するテストベッドを製作し,「しがみつき」による微小重力表面移動に関する基礎実験を実施した.実験の結果,静的なしがみつきの条件を,接地点(把持点)の摩擦円錐のモデルを用いて評価できることが明らかとなった. 3.脚・クローラーハイブリッド型モデルの試作検討 非常に険しい地形では,クローラーだけでも脚だけでも対応が難しい.そこで,脚とクローラーを組み合わせ,不整地走破性能を高めたロボットモデルを製作し,瓦礫状の斜面で基礎実験を行い,脚とクローラーの組み合わせが効果的であることを確認した.
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Research Products
(3 results)