2011 Fiscal Year Annual Research Report
地形認識および力学環境に注目した月・惑星・小惑星探査ロボットの運動制御
Project/Area Number |
21246122
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 和哉 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00191578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永谷 圭司 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80314649)
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Keywords | 月惑星探査 / 移動ロボット / 地形計測 / 走行制御 / スリップ推定 / レーザーレンジセンサ |
Research Abstract |
本申請研究では,月,火星,小惑星などの地球上とは力学条件の異なる環境において,移動探査を行うロボットの運動制御法を確立することを目的としている.平成23年度では,以下の2項目について重点的な研究を行い,それぞれに有益な結果を得た. 1.月面探査ロボットの試作研究 細かい砂で覆われている月表面の斜面登墓に関する昨年までの研究成果に基づき,小型探査ローバーの試験モデルを開発した.走行系は車輪型とし,これまでの知見に基づいて登攀性能の高い車輪およびサスペンション機構を設計した.また,環境認識および走行制御のためのセンサおよびオンボードコントローラ等の電子機器を開発した。特に走行制御については,すべりを最小化し走行性能最適化するアルゴリズムを開発し,オンボードコントローラに実装した.開発したテストベッドを用いて,伊豆大島、九州阿蘇山などの屋外フィールドで走行実験を行い,将来の月面探査を想定した探査ミッションに必要な機能と性能に関する評価データを取得した. 2.小惑星探査ロボットの試作研究 JAXAの次期小惑星探査機「はやぶさ2」には,複数の小惑星着陸機が搭載される可能性が検討されている.本研究でこれまで得られた知見に基づいて,小惑星表面を移動探査可能なロボットの試作研究を行った.ロボットの全質量は1~2kg程度あることが求められており,この条件に適合する探査ロボットを設計し,搭載センサ・エレクトロニクスを含めて,実現性の高いモデルを設計・試作した.小惑星表面での移動に関して,新しい方式を考案し,前年までに開発・整備してきた空気浮上式テストベッドにより,微小重力環境における運動性能について,基礎データ収集および性能評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災により4~5月に一時的な遅れが生じたものの、9月以降、伊豆大島、九州阿蘇山にてフィールド実験を行って貴重なデータを得るなどの有益な前進があり、研究全体としては、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
車輪型移動探査ロボット(ローバー)については、様々な設計指針が明らかとなり、検証実験も順調に進んでいる。最終年度である平成24年度にはこれらの成果のとりまとめを行う予定である。 一方、小惑星表面探査ロボットについては、理論的な解析と検証が進む中で、「はやぶさ2」にフライトモデルを搭載する可能性が見えてきた。平成24年度には、「はやぶさ2」プロジェクトへの貢献を目指した研究開発を進めて行く予定である。
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Research Products
(3 results)