2010 Fiscal Year Annual Research Report
HAN系推進剤を用いた宇宙飛翔体用低毒性推進系の研究
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21246127
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
堀 恵一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (40202303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹ヶ原 春貴 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (20227010)
青柳 潤一郎 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (10453036)
橘 武史 九州工業大学, 工学研究院機械知能工学研究系, 教授 (50179719)
各務 聡 九州工業大学, 工学研究院機械知能工学研究系, 助教 (80415653)
田原 弘一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (20207210)
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Keywords | 人工衛星 / 推進 / 触媒 / 大気圧プラズマ / アークジェットスラスタ / アーク放電 / 惑星探査 / 放電プラズマ |
Research Abstract |
宇宙飛翔体用推進剤に低毒性かつ高性能であるHAN(Hydroxyl Ammonium Nitrate)系推進剤を実現するにあたり、本年度は着火方式毎にデータを蓄積した。 [触媒着火] 地上燃焼試験結果を基に推進系システムを製作し,気球実験機を用いて高度約35kmにおける低温(-40℃)低圧環境下の高高度燃焼試験を成功させた.さらに地上試験から,燃焼室を長くすることで燃焼効率が向上する知見を得た.また,触媒の低温活性の検討にも着手し,室温の触媒において反応し,数十℃の温度上昇を確認した. [電気着火] 放電による推進薬分解反応促進機構の構築を目的とし、研究を継続した。HAN系推進薬の分解反応について、放電周波数や投入エネルギの影響評価を行った。また、微小容器内でのHAN系推進薬の分解を放電により試み、推力発生を確認した。これらの結果から、推進機適用に関する放電条件の改善指針や検討課題が得られた。 [アーク放電着火] HAN系推進剤分解ガス(H2O, CO2, N2の混合ガス)とHAN系推進剤を用いて10kW級直流アークジェットスラスタの噴射実験を行い、各種特性,放電電極の損耗状態、作動安定性を調べた。その結果、代表的な作動条件では、分解ガス推力は72.7mNで推進効率が0.41%となった.SHP163を用いた場合は,推力220.6mN、推進効率0.62%であり、更なる性能向上が必要である。また,放電電極が激しく損耗したが,600秒を超える安定作動が確認できた。 アークプラズマ支援燃焼を当該推進薬に適用した1N級の推進機を試作し,実証実験と性能の評価を行った.アークプラズマを誘起し徐々にHAN系一液式推進薬の流量を増加させたところ,推力室圧力も増加し0.3MPaに達した.特性排気速度効率を評価したところ90%に達しており,推進機内で推進薬の燃焼が十分行われていることが示された.
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Research Products
(12 results)