2011 Fiscal Year Annual Research Report
波浪衝撃による強非線形流体・構造連成応答解析法とその応用研究
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21246128
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柏木 正 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00161026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤久保 昌彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30156848)
飯島 一博 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50302758)
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Keywords | 流体構造連成問題 / 数値流体力学 / ランキンパネル法 / 有限要素法 / 非定常波形解析 |
Research Abstract |
1.流体・構造連成解析に関する実用的数値計算プログラムを開発し,それによる計算結果と数値流体力学的手法による強非線形解析法による計算結果を比較することは,非線形性の重要度を認識する上で大切であるので,線形ポテンシャル理論の枠内で3次元影響,前進速度影響を正確に取り扱ったランキンパネル法と弾性変形の固有モード解析に有限要素法(NASTRAN)を適用したハイブリッド計算プログラムを開発した。弾性振動モードで強制動揺させたときに造られる波形および波浪中での弾性振動モードの振幅を計算し,その妥当性について検討した。 2.自由表面上の非定常波形や波浪荷重の計算に対するランキンパネル法の計算精度,非線形影響について考察するために,波浪中で前進しながら動揺する模型船が造る非定常波形の計測・解析(非定常波形解析)を入射波の振幅を変えながら系統的に行った。その結果,船の動揺を固定したdiffraction問題での船首付近の波形において実験と計算に有意な差が見られ,また,船の動揺振幅が大きくなる周波数域では入射波振幅の違いによる非定常波形での非線形性が顕著に見られた。 3.CIP法ベースの数値流体ガ学的計算法(RIAM-CMEN)によって上記の波形に対する非線形影響が説明できるかどうかを見極めるため,実験に対応する数値計算を実行した。入射波振幅が比較的大きいときの結果は,明らかにポテンシャル理論による計算結果より実験値に近い傾向を示しているが,自由表面上での計算メッシュの依存性が強く,計算結果の信頼性を更に高める必要がある。RIAM-CMENによる数値計算は引き続き行っている。 4.2011年11月に開催されたドイツ船舶海洋工学会において招待講演(34th Weinblum Memorial Lecture)を行い,非定常波形解析および波浪荷重に関する最新研究成果を紹介した。また2012年9月に開催予定のHydroelasticity国際会議の国際技術委員として開催準備に協力するとともに,論文の投稿準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ランキンソース法と有限要素法の融合による波浪中船体の流力弾性解析プログラムは完成させ,計算結果の検証を行ったが,さらに詳細を調べる必要がある。また水槽実験によって,船体に働く波浪荷重と非定常波形の計測・解析も系統的に行い,信頼性のある良いデータが取得できた。実験結果に見られる非定常波形での非線形影響に対して,CIP法ベースの数値流体力学的計算法によって検証を行っているが,これは継続して行う必要がある。一方,大振幅波浪中でのスラミング現象の水槽実験・数値計算は予定が遅れ,平成24年度に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
CIP法ベースの数値流体力学的計算法を用いた波浪中船底スラミングによる強非線形波浪荷重の計算,それによる構造応答計算,市販コード(LIS-DYNA)による計算結果との比較は当初の予定通り行う。また,ランキンソース法と有限要素法のハイブリッド計算法も非線形影響を考慮できるようにレベルを高め,波浪中における船体の流力弾性応答に関する実用計算法として確立させる。平成24年度が最終年度であるので,これまでの成果を総括し,今後の研究方向を明らかにする。
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Research Products
(8 results)