2011 Fiscal Year Annual Research Report
波浪中を航行する肥大船周りの非定常流場・波動場に関する研究
Project/Area Number |
21246129
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
戸田 保幸 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20172166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 清重 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10135668)
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Keywords | 波浪中抵抗増加 / CFD / 船尾流場 / PIV計測 / 波動場計測 |
Research Abstract |
最終年度である平成23年度にはステレオPIV装置を用いて、波浪中で航行する船舶の位相平均のプロペラ面流速3方向成分を計測した。このような流れ場はこれまでに計測されたことがなく波浪中における推力や馬力の変動を考える上の重要な知見が得られた。具体的な成果は以下のとおりである。 1.サージフリーの抵抗増加測定装置を用いてPIV計測を行う場合、弱いばねによる長い周期の運動が大きくなり計測断面が変化してしまうが、これをできるだけ小さくするように数多くの予備実験を行い、バイアス荷重の調整とリリース方法を検討しPIV計測が可能な程度に長周期のサージを減少させることができた。 2.波浪中で3自由度(ヒーブ、ピッチ、サージ)が出会い周期で運動する模型の位相平均流場を計測するために運動の所定の位置でPIVのダブルパルスレーザー光を発光し画像が取れる装置を開発した。これにより所定の位相での流速分布が計測できた。 3.肥大船の波浪中運動中の船体周りの流場をPIV計測を行い6-12の運動位相のプロペラ面の流速を計測できた。波長の短い運動の小さな時も波の影響で流速場は大きく変動することが明らかになった。また運動が大きい場合は縦渦の位置や強さも大きく変動することが明らかになった。 4.非定常周期的流場のCFD計算を行い、ステレオPIV計測結果と比較した。CFDはかなり良く特徴をとらえているが詳細な部分での違いもありさらなる高精度化が望まれることがわかった。 このようにこれまで世界中でみても計測されていなかった波浪中を航行する船体周りの位相平均流場が計測され新たな知見が得られた。公表は遅れているが、ApHydro等のシンポジウムには採択されている。
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