2010 Fiscal Year Annual Research Report
超高効率風レンズ風車と新炭素繊維材料の革新的技術を融合した洋上風力発電の開発研究
Project/Area Number |
21246130
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大屋 裕二 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00150524)
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Keywords | 洋上風力発電 / 大型浮体 / 風力エネルギー / 海洋エネルギー / 集風式風車 |
Research Abstract |
今年、博多湾に直径16mの蜂の巣浮体を設置する。その上には3kWの小型風レンズ風車を2基設置する。その風荷重、転倒モーメントを大型風洞実験にて計測した。その結果、静止時には通常風車(ブレードのみ)の2倍程度の風荷重を受けることがわかった。このため、洋上浮体上の風レンズ風車支持構造はモノポール形式をやめ、集風体も支える多点支持構造を検討した。この結果、トラス支持構造にして、浮体実験を行った。九大応力研の大型水槽にて、直径2.5mのセミサブ蜂の巣型のトラス浮体を製作し、TLP方式(海底から張力で支持する方法)の耐波浪実験を行った。この結果、十分な安定性を得た。同時に、強風発生装置も浮体上流に取り付け、強風時の風車転倒荷重、水平移動距離等を評価した。同時に強非線形の流れ場を精度良く計算できる流体計算コードで、水槽実験と同様な条件でシミュレーションを行い、水槽実験とほぼ同様な結果を得た。これらにより、今年博多湾に設置する小型洋上発電浮体は十分安全性があることがわかった。 将来の洋上浮体用の風レンズ風車の設計、試作を行った。風レンズ風車大型化の第一歩として中型クラス風車である風レンズ風車100kW機の設計を行った.大型化に際しては耐風設計や支持構造体の空力干渉等が問題となる.風洞実験、またはブレードの回転を取り込んだ高精度な数値計算により,これらに関する新たな知見を得ることができた。本研究を通して中型クラスの風レンズ風車開発に必要な風車の発電性能曲線,風レンズ集風体の揚力値,抗力値,周辺流れ場の詳細,出力を含む翼車の3軸まわりのモーメント等に関する知見を得た。
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