2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機化学合成用廃ウラン触媒に適合する廃棄物処理および廃棄体の研究
Project/Area Number |
21246143
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榎田 洋一 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 教授 (40168795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 佳代 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (90372531)
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Keywords | ウラン触媒 / ウラン廃棄物 / 塩化揮発 / 超臨界流体抽出 / 複合酸化物 / ウラン廃棄物処理 / ウラン廃棄物処分 / アクリルニトリル |
Research Abstract |
プロピレンを原料としてアクリルニトリルを製造する有機化学合成プロセスで1960年代から使用されたウランを含む触媒からウランとアンチモンを高収率で除去するとともに近い将来に設置されると期待される研究所等廃棄物の処分場に浅地中処分するのに適合する廃棄体を作製する研究を平成21年度から開始し、(1)ウラン触媒特性評価、(2)模擬ウラン触媒作製、(3)アンチモン除去実験、(4)ウラン除去実験の4項目を研究計画通りに実施した。この結果、(1)実触媒ではウランとアンチモンが複合酸化物(主成分はUSbO4)を形成して硝酸等の鉱酸ではきわめて浸出しにくい形態にあること、(2)実触媒とX線回折像が一致する模擬触媒および放射性物質を含まない模擬職物質としてのネオジムとアンチモンの複合酸化物の合成に成功して、研究によるウラン廃棄物発生量を極小化する見込みを得たこと、(3)塩化水素ガスを反応期待とする塩化揮発法により廃触媒に含まれるアンチモンの97%の除去に成功し、これはアンチモン除去の代替法として検討したホウケイ酸ガラスの分相を利用する方法と同水準の除去率であることを確認したこと、(4)アンチモン除去後の廃触媒から硝酸とリン酸取りブチルを改質剤として加えた超臨界二酸化炭素抽出法によりウランのほぼ全量(回収率は100±7%と評価された)を回収できることを明らかにする成果を得た。これらの成果により、初期に予定した主要な成果を得たことになり、今後は最適処理条件の探索および処理後の廃触媒の廃棄体としての適合性の検討を実施していく予定である。
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Research Products
(5 results)