2009 Fiscal Year Annual Research Report
同位体選択的レーザー光脱離を用いたコンパクト化汎用加速器質量分析法の開発
Project/Area Number |
21246144
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井口 哲夫 Nagoya University, 工学研究科, 教授 (60134483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原林 順 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (80283414)
渡辺 賢一 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30324461)
富田 英生 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20432239)
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Keywords | 同位体分析 / レーザー / 加速器質量分析 / 光脱離 / 負イオン |
Research Abstract |
本研究は、加速器質量分析法(AMS)にレーザー共鳴イオン化質量分析(RIMS)の原理を導入することで、AMSの本来の性能を保ちつつ、その弱点である装置規模のコンパクト化と汎用性を高める要素技術の開発、具体的には、コンパクト・高繰り返し率・注入同期型高分解能波長可変チタンサファイアレーザー(Ti:S)光源の独自技術をべースに、高効率で重元素まで適用可能な同位体選択的レーザー光脱離負イオン源の原理実証とプロトタイプの設計・試作、及び既設AMSに本イオン源を導入した分析能の実験的評価により、コンパクトながら汎用性の高い低エネルギーAMSの技術的成立性の検証を目的としている。平成21年度は、本研究の立ち上げとして、以下の同位体選択的レーザー光脱離基礎実験の準備を行った。 (1)レーザー光源部の整備 ・既設Ti:Sレーザーシステムをベースに、高出力化、高繰り返し率(10kHz)化を図るため、新たに高出力Nd:YAGレーザーを導入し、基本特性を評価した。 ・高出力、高繰り返し率のパルスレーザー発振のもとで、狭帯域化(~20MHz)を実現するため、波長可変DFB半導体レーザーをシード光源として利用する注入同期のための光学系を設計・試作した。 ・両者を組み合わせ、高出力・高繰り返し率・狭帯域の波長可変Ti:Sレーザー光源システムを構築し、基本性能の確認を行った。 (2)レーザー光脱離基礎実験系の詳細設計 ・レーザーアブレーションでパルス的に負イオンを発生する方式を採用し、既設飛行時間型質量分析装置の部分改修による基礎実験チェンバーの詳細設計を行った。 ・種々の元素の原子・分子に対する光脱離関連研究の調査・検討を行い、シミュレーション計算により、本研究の実験系で実施可能な測定条件を明らかにした。
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Research Products
(3 results)