2012 Fiscal Year Annual Research Report
リボソームRNA遺伝子のゲノムの安定性維持における役割
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21247003
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
小林 武彦 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 教授 (40270475)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | DNA損傷 / 細胞老化 / ゲノムの不安定性 / 組換え / リボソームRNA遺伝子 / 老化シグナル / 複製フォーク / 出芽酵母 |
Research Abstract |
<rDNAからの細胞老化シグナルの解析> rDNAはゲノム中で最も不安定な領域で、rDNAの不安定性と寿命の短縮が相関することを証明してきた。例外的に存在する寿命の短縮との相関がみられない変異株を単離した。それらはrDNAから発せられる「老化シグナル」が低下あるいはその伝達機構に不具合が生じており、そのためrDNAの不安定性が老化を誘導できなくなっていると推察される。その中の1つの変異株mrc1について解析した。Mrc1は複製フォークに存在しDNAダメージによりリン化され細胞周期を止める働きがあるが、その機能は老化シグナルとは無関係であった。Mrc1とともにDNAポリメラーゼイプシロンに結合するDpb3、Dpb4の欠損株も同様にrDNAは不安定化するにも関わらず寿命の短縮は見られなかった。さらに興味深いことに、dpb3、dpb4とsir2の2重変異株を作成すると、rDNAの安定性がsir2単独変異に比べて上昇した。これらのことからMrc1及びDpb3、Dpb4は老化シグナルの実体というより、その発生に関わっており、それらが欠損するとrDNAは不安定化するがその後の修復効率が上昇しその結果老化シグナルが減少するため、寿命が延長されると考えられる。 <細胞の若返りの分子機構の解析> 母細胞では老化と共にrDNAの不安定化が観察されるが、母細胞から生まれた娘細胞ではその安定性が回復している。この機構を解明するため、母と娘細胞を分離しrDNAのコピー数の上昇を計測したところ母細胞でのみコピーの上昇が観察された。現在この分子機構について解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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