2010 Fiscal Year Annual Research Report
DNAメチル化のエピジェネティックな継承と維持の構造的基盤
Project/Area Number |
21247013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白川 昌宏 京都大学, 工学研究科, 教授 (00202119)
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Keywords | エピジェネティクス / DNAメチル化 / ヒストン修飾 / 構造生物学 / X線結晶解析 / NMR |
Research Abstract |
(1)維持メチル化におけるメチル化酵素のローディング UHRF1による片鎖メチル化CpG部位へのメチル化酵素DNMT1のリクルート機構を明らかにするため、DNMT1とUHRF1 SRAドメインの相互作用解析をGST-プルダウン法や等温カロリメトリー法(ITC)を用いて行った。その結果、SRAドメインのみではDNMT1と安定な複合体を形成せず、SRAドメインと他の機能ドメインを連結するリンカー領域が複合体形成に重要である事を明らかにした。現在、この結果に基づき複合体の結晶化実験を進めている。 (2)DNAメチル化とヒストン修飾のカップリング 片鎖メチル化DNA結合蛋白質UHRF1のヒストン結合ドメインとDNA結合ドメインの間の相互作用と機能相関を生化学的な手法を用いて検証した。前年度に得られたヒストン結合ドメインの構造知見と合わせて、UHRF1のDNA結合活性がヒストン結合ドメインのリン酸化修飾により制御されていることを明らかにした。 (3)メチル化DNA部位によって生じるミスマッチの認識の分子機構 塩基除去修復酵素MBD4と水酸化メチル修飾を受けたDNAと結合する事を生化学的解析から明らかにした。また、MBD4のDNA結合ドメインと水酸化メチル修飾を受けたDNAの結晶構造を決定し、その分子認識を原子レベルで明らかにした。これらの結果は、MBD4が水酸化メチル修飾を受けたシトシン塩基を特異的に認識し、塩基除去修復を介したDNA脱メチル化に関与している可能性を示唆するものである。現在その生物学的意義を検証すうために細胞レベルでの機能解析を進めている。
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