2009 Fiscal Year Annual Research Report
低分子と高分子のクロスネットワークによるエピジェネティクス制御機構の解析と応用
Project/Area Number |
21247016
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柳澤 純 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (50301114)
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Keywords | ホルモン / 核内受容体 / p53 / エピジェネティクス / 核小体 |
Research Abstract |
低分子と高分子のクロスネットワークを解析し、エストロゲンとKLF5のクロストークを明らかにした。エストロゲンはERβに結合し、KLF5のコファクターとして機能することによって前立腺癌の大きさを制御することを明らかにした(Science Signaling 2011)。ERβはエストロゲン非存在下ではcoactivatorとして機能するが、エストロゲンが存在するとKLF5を分解し、結果としてKLF5の転写活性を抑制する。さらに、核小体に存在し、核小体ストレス時に核小体から放出されp53を活性化する新たな蛋白質MYBBP1Aを同定し、その解析を行った(EMBO J,2011,JBC,2011,BBRC,2011)。核小体にストレスが加わると、リボソームRNA転写が抑制され、RNAに結合していたMYBBP1Aが放出される。放出されたMYBBP1Aはp53と結合し、そのアセチル化を促進することによってp53の分解を阻害する(EMBO J,2011)。また、ERがLXRの転写活性を制御することを見出し、現在リバイス中である(Nature Med.Revision)。さらに、ERに結合し、KLF5を介して前立腺癌の増殖を抑制する新たな低分子を発見した(Nature revision)。新しい低分子化合物は、前立腺癌の血管新生を強力に抑制することによって前立腺癌の腫瘍形成を阻害する。
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