2011 Fiscal Year Annual Research Report
1分子イメージングと数値モデルの融合による免疫細胞分子システム研究の開拓
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21247019
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳永 万喜洋 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (00192659)
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Keywords | 1分子イメージング / 分子システム / 分子動態 / 3次元イメージング / マルチカラーイメージング / HILO照明法 / 分子定量 / 分子間相互作用 |
Research Abstract |
(1)定量パラメータ解析のための1分子イメージングシステムの改良。昨年度行った、顕微鏡制御PCシステムの統合、4色同期画像取得PCシステム開発をさらに発展させた。全反射照明・薄層斜光(HILO)照明法による1分子イメージング光学顕微鏡系の制御PCシステムと、4色同期画像取得を行っているPCシステムの統合性を高め、定量画像解析システムとの連携を高めた。また、光学系を改良して収差補正を進め、より高画質化による定量解析の質的向上をもたらした。(2)細胞内部での高いS/N比の画像を生かし、細胞内部における分子数・濃度・相互作用時間・解離定数・拡散係数・物理的動態特性といったパラメータを、多種分子・時間・空間の関数として求めることができる1分子画像解析システムを、多色間画像定量解析を重点に改良を進めた。以上の成果により、生きた細胞内部で、ナノ解析による超解像計測が可能となった。これは、分子間相互作用・分子動態の定量解析を大きく前進させるものである。(3)免疫細胞におけるシグナル伝達の1分子イメージング・定量解析。昨年度までに構築済みの多色観察対応した、リセプター・リン酸化酵素・アダプター等のシグナル分子、actin等の細胞骨格、STIM1等のCaシグナル関係分子、ER等の細胞内器官局在マーカー、転写因子等の核内分子と、緑・赤等のGFP変異蛋白質との融合タンパク質を組込み、複数種同時発現させた細胞の1分子観察と定量解析を、今年度までの成果を生かしつつ推進した。(4)細胞シミュレーションプログラム開発。個々の分子動態・相互作用を簡潔な方程式で記述シミュレーションする3次元細胞分子システムプログラムにおいて、動的膜系を導入し、分子間相互作用の多様化対応を進めた。シグナル伝達増幅のS/N評価により、細胞が持つシグナル伝達多様性の意義解明を行った。
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