2011 Fiscal Year Annual Research Report
負の張力センサーとして機能するアクチン線維:その物理化学機構の解明
Project/Area Number |
21247021
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
曽我部 正博 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10093428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳 仁史 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20171720)
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Keywords | アクチン線維 / コフィリン / 伸展刺激 / 張力 / 回転ゆらぎ / 光ピンセット / 一分子観察 / 分子動力学 |
Research Abstract |
アクチン線維の動態(形成/崩壊)制御は細胞の形態維持や運動(形態変化)を支える中心機構である。アクチン線維は力発生要素であると同時に力によって動態が制御されるが、その仕組みは不明で細胞生物学における最重要課題とされている。本研究の目標は、アクチン線維自身が力を感じてアクチン切断因子コフィリンの活性を調節することで、自らの動態を制御する“メカノセンサー”として働くことを実証し、その機構を解明することである。23年度までの研究で、a)コフィリンの結合確率がアクチン線維の張力に依存して減少すること、b)アクチン線維の長軸周りの回転ゆらぎがアクチンの線維の張力に応じて減少すること、が分かった。また、c) アクチン分子14個からなる線維の分子動力学計算を行い、回転ゆらぎが張力で減少することを再現できた。以上で、コフィリンの結合がアクチン線維の張力で調節されることが明らかとなり、当初の目標はほぼ達成できた。最終年度(23年度)ではさらにコフィリン結合後のアクチン線維の切断機構に迫るべく、アクチン線維の回転ゆらぎに対するコフィリンの影響を解析した。その結果、弛緩したアクチン線維にコフィリンを添加すると、軸周りのゆらぎは変化しないか、むしろ減少し、代わりにアクチン線維全体の回転ゆらぎが大きくなった。この結果は、おそらくコフィリンの空間協同性結合によるアクチン線維の機械特性の変化(コフィリンロッドの形成)によると予想された。延長研究期間の最大目標は、この予想を1分子レベルで証明することであった。蛍光ラベルしたコフィリンのアクチン線維への結合を実時間計測することで、コフィリン結合のオン速度とオフ速度を推定し、コフィリン結合には空間的な正の協同性があることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)