2010 Fiscal Year Annual Research Report
1分子追跡による細胞膜分子ナノ集合体の動的情報交換システムの解明
Project/Area Number |
21247022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楠見 明弘 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (50169992)
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Keywords | 1分子追跡 / 細胞膜 / ナノ集合体 / 情報変換 / システム / GPIアンカー型受容体 |
Research Abstract |
本年は、主に、以下の2点の研究をおこなった。 【1】(1)タンパク質間相互作用に基づくナノ集合体と、(2)ラフト脂質間相互作用に基づくナノドメイン、の協同によって形成され働くメゾ複合体の形成機構を調べた。細胞外からの刺激が来る前の定常状態の細胞では、GPIアンカー型受容体は、特異的タンパク質間相互作用に基づくホモダイマーを形成し、それがラフト脂質間相互作用によって安定化されること(寿命が200ミリ秒程度)がわかった。 【2】シグナル変換において、外部シグナルに対する応答の特異性には、タンパク質間相互作用は必須であるが、一方で、コレステロールや糖脂質の協同的ラフト脂質間相互作用は、どのような効果を持つかを調べた。その結果、細胞外からの刺激によって、GPIアンカー型受容体が大きな受容体クラスターラフトを形成することがわかった。これが、シグナル変換のプラットフォームになると考えられる。大きな受容体クラスターラフトは次の3ステップによって形成されることがわかった。 【ステップ1】ラフト型受容体にリガンドが結合すると(おそらくは、それによって受容体の構造変化がおこり)、受容体のタンパク質部分での親和性が上がり、安定な2量体が形成される。 【ステップ2】ラフト型受容体の安定な2量体が、脂質部分の相互作用によって協同的にコレステロールや糖脂質などのラフト脂質を濃縮する。 【ステップ3】そうすると、ラフト脂質相互作用によって、別のラフト型受容体の安定2量体が結合し、大きな受容体クラスターラフトが形成される。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Membrane molecules mobile even after chemical fixation2010
Author(s)
K.A.K.Tanaka, K.G.N.Suzuki, Y.M.Shirai, S.T.Shibutani, M.S.H.Miyahara, H.Tsuboi, M.Yahara, A.Yoshimura, S.Mayor, T.K.Fujiwara, A.Kusumi, Equal contribution
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Journal Title
Nature Methods
Volume: 7
Pages: 865-866
Peer Reviewed
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[Presentation] Single-molecule tracking of PKC received and transferred by diffusing small antennas of signal-induced diacylglycerol2010
Author(s)
M.Xie, M.Ishibashi, I.Koyama-Honda, R.S.Kasai, A.Shibata, C.Nakada, T.K.Fujiwara, N.Saito, Y.Mori, L.Liu, D.W.Pang, Y.Chen, A.Kusumi
Organizer
第48回日本生物物理学会年会
Place of Presentation
仙台(招待講演)
Year and Date
2010-09-22
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