2011 Fiscal Year Annual Research Report
1分子追跡による細胞膜分子ナノ集合体の動的情報交換システムの解明
Project/Area Number |
21247022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楠見 明弘 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (50169992)
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Keywords | 1分子追跡 / 細胞膜 / ナノ集合体 / 情報変換 / システム / GPIアンカー型受容体 |
Research Abstract |
我々は、生細胞中での、分子の動き・相互作用・活性化を、1分子毎に手に取るように見える方法の開発に成功した。そこで本研究では、これらの方法を用いて、ラフト関与のGlycosyl-Phosphatidyl-Inositol (GPI)アンカー型受容体(GPIAR)のシグナル変換機構を明らかにすることを目的としている。 昨年度までの研究で、我々が開発してきた1分子イメジングのための超高速カメラを用い、プローブを工夫することによって、1分子レベルでの分子会合検出法の改善が大幅に進んだ。そこで、これらの新しい方法に基づき、研究を進めた。 (1)まず、外部刺激が来る前の定常状態の細胞で、GPIARの動態を調べた。その結果、調べた3種のGPIARは、タンパク質相互作用によるホモダイマーを形成し、さらに、ラフト脂質相互作用によって安定化され、GPIARホモダイマーラフトを形成すること、ホモダイマーラフトの寿命は200ミリ秒で、常に形成と分解をくり返していることが分かった(2)違う種類のGPIARのホモダイマーラフトは、ラフト脂質相互作用によって、ヘテロテトラマーラフトを形成することが分かった(もちろんホモテトラマーラフトも形成される)。寿命は、さらに短く、100ミリ秒であった。すなわち、ホモダイマーラフトはラフト脂質相互作用によって、大きなラフト(これらも短寿命)を形成する重要なユニットであることが分かった。(3)外部からのリガンド結合によって、ホモダイマーラフトが会合して、安定なシグナルラフトが形成されること、すなわち、ホモダイマーラフトは、シグナル変換の基本ユニットであることも示された。 さらに、数理モデルを用いて、アクチン膜骨格によって仕切られた細胞膜で、全体としてのシグナルは変化しないのに、シグナルが局所的にバーストしながら、反応が進むことを示した。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Integrated and diffusion-based micro-injectors for open access cell assays2011
Author(s)
X.Li, L.Liu, L.Wang, K.Kamei, Q.Yuan, F.Zhang, J.Shi, A.Kusumi, M.Xie, Z.Zhao, Y.Chen
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Journal Title
Lab Chip
Volume: 11
Pages: 2612-2617
DOI
Peer Reviewed
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