2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21247031
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 邦弘 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70116375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久本 直毅 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80283456)
花房 洋 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00345844)
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Keywords | LRRK1 / EGFR / endosome / endocytosis |
Research Abstract |
LRRK1はLRRK2とともにROCOキナーゼファミリーを構成している。近年、LRRK2がパーキンソン病原因遺伝子の一つ(Park8)であることが明らかとなり臨床的にも注目を集めているが、その作用機構は不明なままであった。我々は、ほ乳類培養細胞を用いてLRRK1の機能解析を行なった。その結果、LRRK1がアダプター分子Grb2を介してEGF受容体(EGFR)と複合体を形成し、EGFRの細胞内トラフィック(早期エンドソームから後期エンドソームへの移行)を制御していることを明らかにした。EGFRのエンドサイトーシスは、活性化したEGFRを細胞膜から取り除きリソソーム分解経路へと輸送する事でEGFRシグナルのダウンレギュレーションに必須の役割を果たしている。この過程は、過剰な増殖シグナルによる細胞癌化を防ぐのに重要である。我々は、LRRK1がキナーゼ活性依存的にEGFRの微小管上の輸送を制御し、EGFRの早期エンドソームから後期エンドソームへの移行を制御していることを明らかにした。興味深いことに、LRRK1のキナーゼ活性は、EGFR自身がLRRK1をリン酸化することで制御していた。また、LRRK1はESCRT複合体と相互作用し、EGFRのエンドソーム内腔への取り込み及びリソソーム分解経路選別に機能していることも明らかにした。LRRK1はESCRT複合体構成因子STAM1及びEGFRと3者複合体を形成し、スキャフォールドタンパク質としてESCRT複合体とEGFRとの相互作用に機能していた。以上の結果から、LRRK1はEGFRの細胞内輸送及びリソソームでの分解を制御することで、EGFRシグナルをコントロールしていることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)