2009 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスによる糖蓄積機構解明とその育種利用
Project/Area Number |
21248002
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 伸浩 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00202185)
|
Keywords | エンドサイトーシス / ダイナミン様タンパク質 / クラスリン / DRP1 / DRP2 / 小胞輸送 / 全反射蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
エンドサイトーシスは,真核細胞が外部から物質を取り込むためのもっとも基本的な機構のひとつである.エンドサイトーシスの過程では,まず細胞膜が標的分子を認識したあと,細胞膜表面が細胞質側に陥入しクラスリンと呼ばれるタンパク質で覆われた小胞を形成する.動物細胞においては,エンドサイトーシスの最終段階でダイナミンが機能していることが明らかになっていた.植物においては,エンドサイトーシスのメカニズムはほとんど知られていない.そこで,シロイヌナズナの16種のダイナミン様タンパク質のうちDRP2BとDRP1A,およびクラスリン軽鎖についてそれぞれ蛍光タンパク質との融合タンパク質を発現させ,全反射蛍光顕微鏡を用いて細胞膜表面でのこれらのタンパク質の挙動を調べた. その結果,クラスリン軽鎖の細胞膜上でスポット状に出現し消滅するのとほぼ同期して,DRP1A,DRP2Bが同じ場所で出現・消滅することが明らかになった.さらに,yesat two hybrid法により,DRP1AとDRP2Bが相互作用することもわかった.また,クラスリンが関与するエンドサイトーシスの阻害剤であるtyrphostin A23を処理したところ,DRP1Aの局在が阻害され,DRP2Bの局在は影響を受けなかった.このことから,DRP1AとDRP2Bは,エンドサイトーシスにそれぞれ別の役割を持っていることが示唆された.以上の結果から,DRP2BとDRP1Aは互いに異なる機能ドメインを持つタンパク質であるが,協調してエンドサイトーシスにおけるクラスリン被覆小胞形成に寄与していると考えられた.
|
Research Products
(3 results)