2010 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科およびナス科植物の自家不和合性の分子機構解明
Project/Area Number |
21248014
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高山 誠司 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (70273836)
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Keywords | 植物 / シグナル伝達 / 生殖 / 自家不和合性 / アブラナ科 / ナス科 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
1.アブラナ科の自家不和合性機構の解明 昨年度構築した系により乳頭細胞内外のCa^<2+>濃度を詳細に解析し、自家不和合性の情報伝達系にCa^<2+>制御系が関与することを明らかにした。また、チューリッヒ大学、東北大学との共同研究により、アブラナ科のモデル植物のArabidopsis thalianaが、約41万年前に花粉因子SPll遺伝子の逆位により自家不和合性を喪失したことを明らかにした。さらに、この変異を野生型に戻したSPllを導入することにより、A.thalianaが自家不和合性を再獲得することを証明した。自家不和合性の情報伝達系に関わる因子の探索を目的として、自家不和合性を付与したA.thaliana株を変異原処理し、自家和合性への復帰突然変異株を探索した。複数の候補株を取得し、現在変異部位の特定に向けた準備を進めている。本年度はさらに、花粉因子SPll対立遺伝子間の優劣性の原因について解析を進めた。その結果、優性側対立遺伝子近傍で生成される低分子RNAにより、劣性側対立遺伝子のプロモーター領域がdenovoメチル化を受け、発現が抑制されることを発見した。 2.ナス科植物の自家不和合性機構の解明 ナス科植物ペチュニアのS遺伝子座上に少なくとも6種類の多型性を示すSLF遺伝子が存在し、花粉で特異的に発現していることを明らかにした。網羅的な形質転換実験により、それらの内少なくとも3種類が、花粉因子として機能していることを証明した。さらに、花粉因子として機能するSLFは、特定の非自己S-RNaseと特異的に結合することを共沈実験により証明した。以上の結果をもとに、複数の花粉因子が共同で非自己S-RNasesの解毒にあたるとする協調的非自己認識モデルを提唱した。
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Trans-acting small RNA determines dominance relationships in Brassica self-incompatibility2010
Author(s)
Tarutani, Y., Shiba, H., Iwano, M., Kakizaki, T., Suzuki, G., Watanabe, M., Isogai, A., and Takayama, S.
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Journal Title
Nature
Volume: 466
Pages: 983-986
Peer Reviewed
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[Journal Article] Evolution of self-compatibility in Arabidopsis by a mutation in the male specificity gene2010
Author(s)
Tsuchimatsu, T., Suwabe, K., Shimizu-Inatsugi, R., Isokawa, S., Pavlidis, P., Stadler, T., Suzuki, G., Takayama, S., Watanabe, M., and Shimizu, K. K.
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Journal Title
Nature
Volume: 464
Pages: 1342-1346
Peer Reviewed
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