2012 Fiscal Year Annual Research Report
木質構造物の腐朽等による強度劣化ならびに崩壊過程シミュレーション手法の開発
Project/Area Number |
21248021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 正光 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20126006)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 木材腐朽 / 腐朽進行モデル / X線CTスキャナー / 密度減少 / シミュレーション / 腐朽異方性 / 水分移動速度 / 強度低下 |
Research Abstract |
最終年度に当たる本年は、昨年度までの成果を用いて、木材中での腐朽進行過程を計算機でシミュレートすることを中心に研究を進めた。 これまでの研究で、木材中での腐朽進行は主として木材の繊維方向に進行し、横方向への進行は非常に遅いことが明らかになったので、腐朽進行シミュレーションは繊維方向への一次元の進行に限った。まず、腐朽過程での密度低下の再現のためのモデル化を行った。腐朽開始時間を定めたのち、それ以前を腐朽前段階とし、腐朽開始後の過程を腐朽進行速度をもとに3つのフェーズに分類した。腐朽進行には木材の含水率が支配因子であると仮定し、水分移動方程式を基本にモデルを組み立てた。また定式時に必要なパラメーターは実験によりX線CT装置えられた密度変化ならびに給水実験等でえられた値を利用して最適化を行った。 シミュレーションの適合度は使用する腐朽菌の種類により異なり、褐色腐朽菌では比較的良く密度低下過程を再現することが出来たが、白色腐朽菌ではJIS試験法の指示により試験体を培地に直接接触させるためにその部分が高含水率になり、初期モデルの適合度はあまり良くなかった。しかし培地・試験体間の水分移動速度を調整することにより、最終的には適合度をかなり上げることが出来た。 つぎに密度低下モデルから強度低下の変動を推定するモデルを作成した。予備実験から得られた密度と強度の関係から、強制腐朽処理過程試験体の強度分布を推定し、それを実験結果と比較した。圧縮強度に関しては比較的良い一致を見たが、引っ張り強度に関しては適合させるのに困難がともなった。これは密度減少にはあらわれない、菌によるセルロース鎖の切断等が関連していると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)