2010 Fiscal Year Annual Research Report
サメ由来一本鎖モノクローナル抗体の大量生産技術の開発と魚介類感染症治療への応用
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21248025
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
青木 宙 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 特任教授 (00051805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣野 育生 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (00270926)
近藤 秀裕 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (20314635)
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Keywords | 免疫グロブリン / 新規抗原受容体(IgNAR) / サメ / 相補性決定領域3(CDR3) / ファージディスプレイライブラリー / 卵白リゾチーム |
Research Abstract |
サメ類の持つ免疫グロブリンNew antigen receptor(IgNAR)は、ほ乳類の免疫グロブリンと比べ、より単純な重鎖のみのホモ2量体構造である。この特徴を利用したモノクローナル抗体作製法を確立することで従来の抗体作製に費やした時間と労力が軽減し、且つ、魚介類病原微生物の迅速診断へ応用することを目的として研究を行ってきた。しかし、前年度行なった非免疫個体から作製したファージディスプレイライブラリーを用いた方法では、病原微生物特異的なIgNARの単離は難しいと判断した。 今年度は、まず卵白リゾチーム(HEL)と特異的に結合する既知のテンジクサメIgNARのCDR3領域をドチザメIgNAR可変領域へ挿入した組換えタンパク質を作製し、HELとの結合能についてELISA法で確認したところ、この組換えタンパク質はHELに対して特異的に結合した。これはIgNARのCDR3領域が、抗原特異性の決定に重要な役割を持つことを示した。この結果から、IgNARのCDR3領域を人為的にランダム化した遺伝子配列に置き換えることにより様々な抗原に結合しうる抗体を得ることが出来ると期待された。そこで、ドチザメIgNAR CDR3領域のランダム化ファージディスプレイライブラリーを構築した。この際、無作為に選んだファージクローンのCDR3領域が効果的にランダム化されていることを確認した。次いで、HELを抗原とし、バイオパンニング法によるHEL特異的に結合するファージクローンのスクリーニングを行った結果、陽性クローンが2個得られた。現在、陽性クローンにおけるCDR3領域の塩基配列について詳細な解析を行っている。これらの結果により、本ライブラリーを用いることで多様な抗原に対するIgNAR CDR3領域を得ることが出来ると推測された。
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Research Products
(2 results)