Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
金子 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (30466809)
廣野 育生 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (00270926)
近藤 秀裕 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (20314635)
長阪 玲子 群馬工業高等専門学校, 助教 (90444132)
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Research Abstract |
哺乳類において脂質代謝調節に重要な働きをもつアディポネクチン遺伝子のホモログを,ニジマスESTデータベースより検索し,得られた部分配列を元にORF全長を含むcDNA断片の塩基配列を決定した.この配列をもとに,ペプチドを固相合成し,KLH標識後,ニジマスアディポネクチンに対するウサギ特異的抗体を3種作製した.アディポネクチン遺伝子およびタンパク質の発現は,哺乳類のものとは異なり,主に筋肉で発現していた.ニジマス脂肪組織で発現する遺伝子について,次世代シークエンサーを用いて網羅的に解析したところ,哺乳類で同定されている情報伝達分子の遺伝子発現は確認されなかった.Ensembleデータベース上の遺伝子配列を基に42,690個のオリゴヌクレオチドプローブを含むマイクロアレイを作製し,養殖トラフグの速筋および肝臓で発現量の異なる遺伝子を網羅的に同定した.また,トラフグおよびマダイにつき,絶食が脂質代謝関連遺伝子の発現に及ぼす影響を定量的リアルタイムPCRを用いて明らかにした.次世代シークエンサーを用いてマダイ速筋および肝臓の発現配列タグ解析を行い,約8,800個の新規cDNA配列を決定した.また,トラフグから2種の成長ホルモンレセプター遺伝子をクローニングするとともに,成長ホルモンおよびインスリンの下流で機能する細胞外シグナル制御キナーゼの市販抗体がトラフグで使用可能であることを示した.魚類でエネルギー代謝に影響を及ぼすことが確認されているγオリザノールの吸収メカニズムを明らかにするために,ニジマス反転腸を調製し,γオリザノールおよび植物ステロールの吸収速度を解析した.哺乳類に比べて両成分の吸収が著しく高いことが明らかとなり,ニジマスはこれらの成分を積極的に吸収する輸送体を発現していることが示唆された.現在,ニジマス脂肪組織で発現する遺伝子群についても詳細な注釈付けを行うとともに,網羅的な遺伝子発現解析のためのマイクロアレイの設計を行っている.
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