2010 Fiscal Year Annual Research Report
魚類エネルギー代謝制御因子の網羅的解析と制御法の確立
Project/Area Number |
21248027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
潮 秀樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (50251682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
金子 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (30466809)
廣野 育生 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (00270926)
近藤 秀裕 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (20314635)
長阪 玲子 群馬工業高等専門学校, 助教 (90444132)
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Keywords | アミノ酸代謝 / 脂質代謝 / ニジマス / ゼブラフィッシュ / アディポネクチン / 次世代シークエンサー |
Research Abstract |
マスノスケ発眼胚体由来培養細胞CHSE-214のtarget of rapamycin(TOR)およびperoxisome proliferator-activated receptors(PPARs)の発現に及ぼすラパマイシン投与の影響について検討したところ,リン酸化TORの相対的タンパク質発現量がラパマイシンの濃度依存的に減少し,PPARsの発現量が上昇することが明らかとなった. ニジマス腹腔内脂肪では,各種アディポサイトカイン遺伝子の発現がほとんどみられないことから,本臓器の機能を明らかとするために次世代シークエンサーを用いた網羅的な転写産物解析を行った.魚類の腹腔内脂肪中には膵細胞が散在していることが知られており,本研究でもトリプシンやインスリンといった膵臓由来の遺伝子転写産物が同定された.一方,脂肪酸の蓄積に重要な脂肪酸結合タンパク質や脂肪細胞の分化に関与するLymphocte G0/G1 switch proteinをコードする遺伝子が腹腔内脂肪においてのみ顕著に発現していた.ニジマス筋肉および肝臓におけるアディポネクチンの分布を魚類アディポネクチン特異的抗体にて組織免疫化学的に調べたところ,筋細胞外および肝実質細胞外に局在が見られ,機能的な脂肪細胞がこれらの組織に散在するものと考えられた.アディポネクチン遺伝子の発現に及ぼす摂餌制限の影響を調べたところ,本遺伝子のmRNA蓄積量は摂餌制限に伴って顕著に減少した. 米糠成分ガンマオリザノール(ORZ)によるニジマスおよびゼブラフィッシュの脂質代謝制御系に及ぼす影響を調べたところ,ORZ投与によってニジマスおよびゼブラフィッシュ肝臓でCPT-1遺伝子転写産物が著しく増大し,AMPKおよびACCのリン酸化率も有意に増大した.以上のことから,ORZの投与は魚類の脂質代謝亢進に有効であるものと考えられた.
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Research Products
(21 results)